気象・防災情報 どう活用?
気象・災害に関する情報は、気象台、行政、報道など様々な機関から出されていますが、どのように入手、活用すればいいのでしょうか?冨山記者の取材です。
梅雨前線の影響で大雨となったきのうから、市町村が出す避難情報を5段階のレベルで示した「大雨警戒レベル」の運用が変更。速やかな避難を求めるレベル4は、避難勧告と避難指示に分かれていたのが、「避難指示」に一本化され、初日から鹿児島県内でも「避難指示」が出されたところもありました。
市町村の避難情報以外にも気象庁が発表する、大雨に関する気象情報だけでも20個近くあるとされていて、気象庁のホームページに掲載されています。
その気象庁のホームページは今年2月に大きく変わりました。リニューアル後のホームページでは、自分の住む市町村を設定し、その市町村ごとの情報がまとめて得られるようになりました。
(鹿児島地方気象台・長友勝弘気象情報官)「住まいのところに合わせて設定することができ、例えば鹿児島市を選ぶときはここ、奄美地方の方は『奄美地方』もある。市町村選択で『鹿児島市』を選んでいただくと鹿児島市周辺の情報がでる。」
(鹿児島地方気象台・長友勝弘気象情報官)「歯車のマークを選ぶと各種メニュー内容があり、天気図やキキクルを選択できる。」
(鹿児島地方気象台・長友勝弘気象情報官)「使い勝手のいい形に設定をして災害に備えてほしい。」
さらに、現在の状況や今後の見通しについてポイントを短くまとめた「気象台からのコメント」の掲載や、土砂災害洪水などの危険度の分布を地図上で色を付けて示す「キキクル」の運用も始めました。
(鹿児島地方気象台・長友気象情報官)「薄い紫、濃い紫になると危険なレベルになるので、薄い紫になれば自治体の指示に従って避難、または自主的な避難を考えるレベル。」
どう分かりやすく情報を伝えるのか、模索が続く気象の現場。特に危機感を感じたと振り返るのが、去年7月の豪雨です。
(鹿児島地方気象台・長友気象情報官)「前日から泊まり込みをしていて、気象台職員全体的に今回の雨は、これまでにない危険な状況になると感じていた。」
去年7月4日、県北部から熊本南部にかけて発達した雨雲がかかり続けました。薩摩・大隅地方では24時間で250ミリの雨量が予想されていましたが、400ミリから500ミリが降ったとみられる所もあるなど、予想を超える大雨となり、県内初の大雨特別警報を発表。
県内では1人が死亡し、住宅631棟に全壊や浸水などの被害が出ました。
(気象庁 関田康雄長官)「気象庁の予想を大きく超える雨になったことを重く受け止めている。我々の実力不足です。」
どれだけ技術が発達しても予測は万全ではありません。ではどうすればいいのか?
災害時は、空振りをおそれず事前に余裕を持って避難しておくことが大切ですが、仮に予測されていない状況下で、急速に災害リスクが高まった場合でも、気象情報をリアルタイムで把握しておけば命を守る行動につなげることができます。
どのような気象情報があり、どうやったら入手できるのか、事前に確認しておいてほしいと話します。
(鹿児島地方気象台・長友気象情報官)「今年も梅雨に入り、長雨が続いている。このような中、線状降水帯などが発生すると(大雨特別警報の)可能性もあると認識している。」
(鹿児島地方気象台・長友気象情報官)「自らの命は自らで守る、自分の家族の命は自分で守る意識をもって、大雨災害に備えてほしい。」
そして、情報入手の方法も多様化。MBCではテレビ、データ放送、ラジオ、インターネット、アプリと、様々な方法で情報発信をしています。
自分の知りたいタイミングで情報を得るためにはデータ放送やアプリを、停電時や通信状況によっては防災対応のラジオを使うなど、状況に応じてどのように情報を入手するのか、考えておくことも大切です。
(住吉大輔気象予報士)「皆さんの暮らしの近くにあるメディアで、しっかりと情報をとる練習を日頃から習慣づけておくことが大事。」
これから本番を迎える雨の季節。いざという時に命を守る行動につなげるためにも、今一度気象情報と入手方法について確認しておくことが重要です。