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【はじめてスマホ】#3 ネットで接近してくる大人、信用して大丈夫?《オンライングルーミング》

前回は「初めてのスマホ」を購入するときのポイントとして、家庭でのルールを作ろうという話をしました。具体的には・・・

  • 人の悪口を書いてはいけない
  • SNSやインターネットを通じて知り合った人と会ってはいけない
  • 何かあったら親や周りの大人に相談する

今日はこの中から、特に注意してほしい「ネットを通じて知り合った人と会ってはいけない」理由について紹介したいと思います。

ネット上で子どもに接近する「優しい大人」、目的は・・・

昔から言われているのですが、昔と違い学校や地域というコミュニティだけではなく、インターネットを通じて「SNSのコミュニティ」が当たり前になっています。
ネットを通じると、クラスメイトには言いづらい「学校・勉強・家族・友達関係」の悩みを打ち明けやすい環境になっています。
一見、とても良い関係に見えるのですが注意してほしいのが「オンライングルーミング」です。

「オンライングルーミング」って?

ペットを飼っている方は、グルーミング(英: grooming)という言葉にピンとくるかもしれません。
猫などの「毛づくろい」のことをグルーミングといいます。
グルーミングには身体を清潔に保つだけではなく、お互いの関係を確認し、絆を強くするコミュニケーションの意味合いがあるそうです。
関係を強める、という意味では特に「社会的グルーミング」といい、人間同士も雑談や飲み会、そしてSNSで「いいね」を送り合うことなどで、社会的グルーミング(=関係の構築、確認、強化)を行っていると言われています。

社会的グルーミング自体は悪いことではありません。ただ、子どもへの性犯罪においては悪い意味で使われます。
性的な目的で子どもに近づき、親しくなって信頼を得る、子どもを手懐ける行為のことを「チャイルドグルーミング、特にその行為をネット上で行うことを「オンライングルーミングといいます。

令和3年警察庁の発表では、「SNSに起因する」事件で被害に遭った18歳未満の子どもの人数は「1812人」にものぼります。また、被害にあった児童のうち290人(22%)はプロフィールしか書いていないにもかかわらず、被害にあっています。

プロフィールや投稿を見て接近

プロフィールや投稿を見て、同じ年代や同じ趣味を演じてメッセージのやり取りをしてくるのがオンライングルーミングの手口です。
自分の悩みに対してなんでも肯定してくれる「優しい友達」であったり、相談に乗ってくれる「頼りになる大人」と思わせたり、同じ趣味の話で盛り上がったり・・・
自分のことを大切にしてくれる「いい人」だと思い込ませます。

匿名性の高いSNS「Twitter」では、特に被害児童数が多いという統計が出ています。
家族や友達には話しづらい悩みを匿名のSNSで吐き出したところ、それに共感し・相談に乗ってくれる大人のことを信用してしまう、ということが多いそうです。

このように、周りに見えない状態で子どもたちと「信頼関係」を築き、「一緒に映画を見に行こう」や「出かけよう」という言葉で子どもを誘い出します。
周囲が気が付かないまま加害行為が発生してしまいやすいのです。

防止の第一歩は「日常的に話し合うこと」

家庭や学校等で「オンライングルーミング」ということがある。被害がある。自分たちが引っかからないためにどうするべきかを話し合う機会を作って欲しいです。

もし、家庭や学校で相談しづらい場合は、子供の人権110番やチャイルドラインなど相談ダイヤがあることを伝えるのも、被害を防ぐ、止める一歩になるかもしれません。

 

参考

警視庁:なくそう、子供の性被害
https://www.npa.go.jp/policy_area/no_cp/

警視庁:子どもの性被害に関する統計資料
https://www.npa.go.jp/policy_area/no_cp/uploads/R3kodomonoseihigaigraph.pdf

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