放送日:2018.6.25
ショートストーリー(兄と妹の会話から)
妹:兄さん!これ見て!
亡くなったお母さんの遺産を整理してたら、こんなのが出てきた!
兄:これは、借金の明細書じゃない?
妹:そうなの!しかも結構な金額だよ!
兄:これだと、マイナスの財産の方が多いんじゃないの?
妹:そうかなぁ?微妙なところじゃない?
兄:俺はもう色々と心配するのが面倒だから、相続を放棄する!
妹:えっ!? それだと、私も放棄しないといけなくなるんじゃない?
兄:どうかねぇ・・・
妹:嫌よ!ちゃんと計算したら、プラスの方の財産が多いかもしれないのに・・・
ちょっと兄さん!ちゃんと考えてよ!
【平松弁護士の解説】
「プラスの財産の以外に、マイナスの財産がある」と分かった場合、かつ「プラスの方の財産が多いかもしれない」という場合には、プラスの相続財産の範囲内でマイナスの財産も引き継ぐという方法があります。これを限定承認といいます。
限定承認とは、プラスの相続財産でマイナスの分である債務は支払いますが、支払いきれない場合は自分の財産から債務を返済する必要はありません。そして債務を支払った際、プラスの財産がまだ残っていたら、それは相続人のものとなります。
ちなみに相続放棄は各相続人が単独で行うことができますが、限定承認は相続人が複数いる場合、相続人全員でしなければなりません。