梅雨前線と雨

「前線」というのは、冷たい空気と暖かい空気の境目が地面に接したところを言います。
「梅雨前線」は、この時期の冷たい空気と暖かい空気の境目にあたります。

6/14に関東甲信地方の梅雨入りが発表されましたが、この「梅雨」の時期には、日本列島に横たわるような形で梅雨前線があります。前線を境に、北は冷たい空気、南は暖かい湿った空気があって押し合いへし合い、せめぎあっています。

では、冷たい空気と暖かい空気が接したところでは、どうして雨が降るのでしょうか。

例えば、氷を入れたコップの外側に水滴がついたり、冬の窓ガラスの内側が曇ったりする現象に似ています。
暖かい空気が冷やされて、暖かい空気に含まれる水蒸気が水の粒になります。コップであれば、コップの中の氷水で周りの暖かい空気が冷やされて、水滴になり、冬の窓ガラスであれば、家の中の暖かい空気が窓の外の冷たい空気に冷やされて、水滴になります。

「梅雨前線」が主役になる梅雨は、夏に向けて南の暖かい湿った空気の勢いが強まってくる季節。
暖かい空気は冷たい空気より軽いので冷たい空気の上に登っていきます。
上昇した、暖かい湿った空気は冷えて、含まれている水蒸気が水の粒になります。それが集まって雲や雨になります。暖かくて湿っているほど、雨のもとをたくさん含んでいます。

「湿った舌」と書く「湿舌」という言葉があります。
南からの暖かい湿った空気が「舌」に似た形で勢いよく流れ込んでくると前線の活動が活発になって大雨になります。

夏の主役といわれる太平洋高気圧の暖かい空気にすっかりおおわれると梅雨明けになりますが、それまでの間、「南からの暖かく湿った空気が流れ込んで」という言葉が天気予報に出てきたら、大雨に注意です。

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