春田川水害検討会 国「被害低減できた可能性ある」
川内川の支流・春田川が氾濫し、鹿児島県薩摩川内市の中心市街地が大規模浸水したことし7月の豪雨災害を検証する2回目の検討会が開かれました。国は、浸水シミュレーションの結果をもとに、より早く排水ポンプを運転開始できていれば被害を減らすことができた可能性があるとの見方を示しました。
検討会は、ことし7月10日、川内川の支流・春田川が氾濫し、薩摩川内市の中心市街地24ヘクタール・142棟が浸水した豪雨災害を受けて、ことし9月に国と県と市が立ち上げたものです。
浸水を巡っては、春田川と川内川の合流点にある国の川内川河川事務所が管理する向田排水機場の排水ポンプ2基のうち、1基が当初、2時間半に渡り動かなかったことなどが問題視されています。
23日の検討会では、委員長の鹿児島大学・地頭薗隆教授を始め委員5人がまず現地を視察しました。
排水機場では、国の担当者が、川内川から春田川への逆流を防ぐため水門を閉めて、排水ポンプを作動させるにあたり、2階と1階で機器をそれぞれ操作する必要があることなどの説明がありました。
その後、委員は排水機場からおよそ500メートル南の春田川が大規模氾濫した場所も視察しました。
その後の検討会では、当日の浸水状況を再現したシミュレーションの計算結果が国から委員らに示されました。
シミュレーション結果では、当日、作業員が排水機場に到着し、実際に作業を開始したおよそ1時間半前の午前4時ごろには国の要領上、すでに操作を始めなければならない水位に達していたとみられることがわかりました。
当日は、川内川上流のさつま町で午前3時に時間雨量120ミリの猛烈な雨が降り、川内川の水位が大きく上昇し始めていて、より早い段階で、作業員が排水機場に到着し、ポンプ2基を当初から運転させた場合、浸水が大幅に低減できた可能性があることが説明されました。
検討会は来月も開かれ、対応などをまとめた報告書を年内に取りまとめる方針です。