鹿児島県内ではこの春、1万5000人余りの子どもたちが小学校を卒業。6年間の小学校生活を支えたランドセルが役目を終えた家庭も多かったのではないでしょうか。
そうしたランドセルを、国連が定めた持続可能な開発目標SDGsの達成に役立てようという取り組みが県内で行われています。
卒業で使われなくなったランドセルを海外の子どもたちに贈る取り組みを始めた間浦さんは、協力してくれた子どもたちの最後のランドセル姿をカメラに収めていました。
(間浦社長)「子どもたちには、自分以外の人を考えてもらうきっかけを探していた。本当に困っている人がいるんだなと思って寄付をしたり、(他人と心が)つながってもらったら」
間浦さんは金融機関の支援も受けながら、1年以上かけて準備を続けていました。
(鹿児島相互信用金庫・紫原支店 石塚朝乃支店長)「(間浦社長は)『絶対これがしたい』という思いを持っているので、実現を手伝うのも私たちの仕事」
今月3日に開かれた話し合いで集めたランドセルは、東京のNPO法人を通じて、鹿児島からおよそ2500キロ離れたフィリピンのセブ島の子どもたちに贈ることが決まりました。
(間浦社長)「セブ島といえば、賑やかな華やかなところと私自身思っていたが、調べてみるとそうではない。こういったところもあるんだなと知って欲しい」
(石塚支店長)「SDGs」の目標でいえば「貧困をなくそう」、教育の機会とか、貧しくてもランドセル持てることで、少しでも応援できれば」
間浦さんらは子どもたちにチラシ配ったり、直接、話す場を設けたりしてランドセルの寄付を呼びかけていました。
そして迎えた卒業式当日。使い終わったランドセルを持った子どもたちが続々と集まっていました。
(卒業生)「おじいちゃんに買ってもらった。お母さんから「いいものだから大切にしなさい」と言われ頑張って大切に使った」
(卒業生)「(ランドセルに一言)重い荷物を持ってくれてありがとう」
(卒業生)「SDGsで『よりよい教育を受けよう』とあるし、自分たちは使わないから、ほかの人たちに使ってもらいたい想いからです」
(保護者)「昨日(学校から)帰ってきてかばんを磨いて写真を撮って、贈ることに納得して」
(卒業生)「みんなが平等であったらいいなと思う」
中には手書きのメッセージが添えられたものも。
(間浦社長)「自分じゃない誰かを想う気持ちが伝わってきて、文面からお父さんお母さんへの感謝の気持ちだと思う」
結局、卒業生141人のおよそ3分の1にあたる46個のランドセルが寄せられました。
(西紫原小学校 池田俊彦校長)「子どもたちにはこれを機会に世の中のいろんな取り組みに積極的に参加してほしい」
役目を終えたランドセルを海外で役立ててもらおうという今回の取り組み。SDGsをより身近な課題として感じるたけでなく、会ったことのない遠くに住む子どもたちに思いをはせるという意味でも、子どもたちにとっては大切な一歩となったようです。