空を流れる「大気の川」

世界最大級の川で、南米を流れる「アマゾン川」。もしこのアマゾン川の水が、空から降ってきたらどうなるでしょうか。今日はそんなお話です。

筑波大学の釜江陽一先生の研究によりますと、去年の熊本県・球磨川の氾濫など、豪雨災害をもたらす梅雨前線には、アマゾン川の2倍の水蒸気(水分)が含まれると、いうものです。先生はそれを「大気の川」と呼んでいます。

確かに巨大なアマゾン川とは言え、深さは深いところで100m、幅は広いところで50キロ程度です。一方、梅雨前線は、雲の高さが10キロ、幅が300キロぐらい、そして長さは1万キロに及ぶため、いかに梅雨前線が多くの水分を含むかが分かります。

釜江先生によりますと、温暖化が進めば、さらに湿った空気が、梅雨前線を活発にするために、線状降水帯も発生しやすくなり、この「大気の川」は、さらに脅威を増すだろうとしています。

まだまだ梅雨時期は続きます。「空を流れる川」ともいえる、梅雨前線がもたらす大雨に引き続き警戒しましょう。そして早めの避難をお願いします。

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