いろは歌

いろは歌「い」(1番目の歌)

今週から、島津日新斉じっしんさいが人生訓を説いた“いろは歌”を一首ずつご紹介していきます。最初は「い」からご紹介します。

いにしえの 道を聞きても となえても 我が行いに せずば甲斐なし

「“いろは歌”は、島津日新斉じっしんさいが創ったもの」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
事実、その通りなのですが、番組では「菩薩日新公ぼさつじっしんこう」として紹介して参りたいと思います。

そのわけは、彼が七才のとき、海蔵院かいぞういんという寺に入り、頼増らいぞう和尚から厳しい教訓おしえを受け、その中でいろは歌の基礎となる人のみちを学んだこと、そして、日新斉じっしんさい法名ほうみょうを“梅岳常潤在家菩薩ばいがくじょうじゅんざいけぼさつ”と呼ぶため、「菩薩日新公ぼさつじっしんこういろは歌」としてご紹介します。

いにしえの 道を聞きても となえても 我が行いに せずば甲斐なし

改めて、歌の意味です。
始めの“いにしえの道”の意味は、聖人せいじん、即ち、高い学識、人徳や深い信仰心をもっている理想的な人。そして賢人けんじんは賢い人。つまり、

聖人や賢人が教えて下さった人のみちを何回聞いても、また「そんなみち、良く理解しているぞ」と、どんなに自慢しても、その教えを我が行いとしなければ、つまり実践してみなければ何にもならない…おしえを実践するのが大切なのだ

要するに“不言実行”の教えなのです。

いろは歌が創られたのは、16世紀。およそ480年前、室町時代の末 天文てんぶん8年から14年までの間と推測されます。
ちなみに天文12年8月 ポルトガル船によって種子島に火縄銃が持ち込まれています。

いにしえの 道を聞きても となえても 我が行いに せずば甲斐なし

この歌、あなたの明日のお役に立てれば幸いです。
それでは、また明日。毎日めにっごわんそ!

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