「西郷南洲遺訓」から、今日はあの有名な、第30条「命もいらず名もいらず・・・」という教えをご紹介します。
命もいらぬ、名誉もいらぬ、官位や肩書きも、金もいらぬ、という人は、
始末に困るものである。
だが、このような始末に困る人物でなければ、
困難を共にして国家の命運を分けるような大きな仕事を、
一緒に成し遂げることはできない。
しかしながら、そういった人物は、
なかなか普通の人の目では見抜くことはできないものである。
真に道理を行う人、正しく生きるという覚悟のある人物でなければ、
そのような精神を得ることはできない。
命もいらず、名もいらず・・・西郷南洲遺訓の中で最も有名な一節かもしれませんね。
誰でも命は惜しいものです。お金もほしければ、役職や肩書き、名誉もほしいと思うのが普通です。
しかし明治維新後、西郷さんの周りの「志士」たちの多くが、新政府のもとで役職を求め、高給を取り、蓄財に走る、そんな姿が目立っていました。国を良くしたいと思って行動してきた西郷さんの落胆ぶりが想像できます。
西郷さんの生き方を知れば、これほど説得力に満ちた言葉はありません。
西郷さんのように徹底した生き方は出来ないかもしれませんが、自分にとって正しい道、譲れないもの、守らなければならないものが出来たときに、自分はどう行動するべきか、何を取捨選択するべきなのか、日ごろから考えておかなければなりませんね。
今日は第30条「命もいらず名もいらず・・・」という教えをご紹介しました。
明日は、西郷南州遺訓、第31条をお送りします。