明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週も、西郷さんが遺した教え、「西郷南洲遺訓」から紹介しています。
今日は、第22条「己に克つを心がける」という教えです。
その時その場の出来事に対処しようとして、
いわゆる場当たり的に「自分を律しよう」としたとしても、
なかなかそううまくはいかぬものだ。
常日ごろから平常心をもって自分に克つ修行をしていなくては、
到底できるものではない。
昨日ご紹介した第21条「自分にとらわれてはならない」に続いて、「己に克つ」ということを論じています。自分自身を厳しく見つめる西郷さんらしさがよく表れた遺訓ですよね。
生きていく上で、あるいは仕事をしていく上で、事態は刻々と変わっていきます。
その都度、目の前の出来事に過敏に反応していては、己に克つ、すなわち「自分本位に考えずに行動する」ことなどできないと、西郷さんは言っています。
人はどうしても苦しいと、自分に甘くなってしまいがちです。
「これくらいなら手を抜いても大丈夫だろう」とか、「これくらい誰でもやっているはず」と言い訳を考えてしまうこと、私自身も恥ずかしながらよくあります。
ですが、それが癖になるといくらでも妥協し、自分の目標としてきたものにたどり着くことは出来ません。何か事態に臨んでからではなく、日ごろから心のありよう、平常心で自分の甘えを絶ち、自分自身を律することを心がけておくべきと、この項目では伝えています。
確かに難しい仕事や初めての企画に取り組むことになったとき、もっと日ごろからアンテナを張っておくべきだったな、勉強しておくべきだったなと思うことがありますよね。
今日は第22条、「己に克つ」を心がけるについてご紹介しました。
明日は、西郷南洲遺訓・第23条をお送りします。