薩摩の教え

郷中教育34

今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介します。
引き続き、6・7才から10才までの「小稚児」の一日の過ごし方をお伝えします。

 

小稚児こちごは、午前中をほとんどは、書物を読むことに費やし、その後、誰かが言い出しっぺとなり「走りくらべや、馬追い、大将取たいしょうとり」などといった運動を行っていました。
この運動を小稚児だけで行う郷中と、長稚児と一緒になって行う郷中とがあったようです。
では、その運動とは、どんなものだったのでしょうか?

 

まず、小稚児の遊びの第一は、「山遊び」。山といっても高い山に登るわけではなく、郷中近くの小さな丘、例えば鶴丸城下では、多賀山・城山・武岡程度の丘でした。
つまり二才咄にせばなし格式定目かくしきじょうもくで定められている「山坂達者」のような「山」とは違い、10才前後の小稚児が登れるような「丘」で遊んだのでした。

例えば、坂元・後迫の小稚児たちは、ヘゴの生い茂るヘゴ山で「山遊び」をしたので、ここの小稚児たちを「ヘゴ山稚児」と呼んだと記録されています。

ヘゴは、県下では、大隅の南端や、薩摩半島の枕崎や、笠沙にも自生していましたから、坂元・後迫以外の郷中にも「ヘゴ山稚児」と呼ばれた少年達が存在していたかも知れませんね。

 

では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また明日。毎日めにっごわんそ!

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