先週は、歴史家の加来耕三さんのインタビューをお送りしました。まだまだ知らない薩摩の偉人たち、その業績や人生について、もっと学ぶ努力をしないと・・・と思わされました。
そして今週はまた、「西郷南洲遺訓」のご紹介に戻りたいと思います。
今日は第20条「制度や方法より、大切なのは人である」という教えです。
それを実際に、政策として行う人がいなければ、何にもならない。
そして、その実行する責任者が、立派な見識を持った人物でなければ、
その政策はうまくいかないであろう。
だから、その立派な人物があって、はじめて、様々な政策、制度が生きてくる。
人こそが一番の宝である。
故に、自分がそういう立派な人物になるよう心がけるのが、
何よりも大事なことである。
どんなに制度や法律を整備しても、それだけで国や社会、人々の暮らしが良くなるものではないということを説いています。
制度や法律はあくまでも手段や道具であって、実際の国の政策に生かせるかどうかは運用する人次第です。制度が自動的に社会をよくしてくれるわけではありません。
西郷さんはそこに、しっかりとしたリーダーが必要であると主張しています。
同時に人材がないと嘆く前に、そういった人物に自分自身がなるよう努力しなさいと言っているようです。
まさに今の時代にも当てはまる深く鋭いメッセージだなと感じます。
今日は第20条「制度や方法より、大切なのは人である」という遺訓をご紹介しました。
明日と明後日は、あの有名な「敬天愛人」という言葉が出てくる第21条を2日に分けてお送りします。