薩摩の教え

鹿児島の偉人たち~加来耕三さんのお話②

今週は西郷南洲遺訓の紹介をお休みして、歴史家の加来耕三さんのインタビューをお送りしています。
昨日は、西郷さん以外の偉人…ということで、地方の殖産興業に人生を捧げた前田正名をご紹介しましたが、今日もその続きをお聞きください・・・。

 

(加来耕三さん)「阿寒国立公園を作ったのも鹿児島県人。地元にはその人の碑が建っていて、花が絶えたことがない。
その人とは、永山在兼ながやまありかね。(地元の人にとっては、生活のための道路を切り拓いてくれた人)だが、永山の地元の人たちが彼の評伝を出したのは、つい最近(平成に入ったかそこら)のような気がする。それまで出していない。

サッポロビールを創ったのも薩摩の人(村橋久成)。何人もいろんな人がいろんなところで活躍しているのに、(鹿児島の人は)見ていない。忘れてしまっている(深く考えない)。

例えば、明治維新になった時、何故、島津幕府は出来なかったのか?
しかも、薩摩の人たちは、命がけで北海道まで行っている(闘って北へ北へと)のに。なぜその恩恵を受けていないのか??

歴史は答を求める学問ではなく、何故そうなったかを考えるところに意義がある。
たくさんの偉人を発見すると、それは生き方の参考になる。

人間どれだけ頑張っても一つの人生しか生きられないのに、歴史の世界には無数の人間がいる。鹿児島にも無数の先輩がいる。
この人はその時、何で右に行ったのか?左に行っていたらどうなっていたか??
考えるだけでいろいろ得られるものがあるのに、見ない。鹿児島の良さにも気がつかない。

そのため(いろんなことに気づくため)には、繰り返し繰り返し(機会あるごとに)とりあげること。その点だけは、鹿児島はすぐれている。。。」

 

「伐る山ではなく、観る山にすべき」…という思いで阿寒摩周国立公園の土地を買い上げた前田正名。
それを観光地として整備するために北海道東部の道路建設に尽力した永山在兼。
どちらも鹿児島出身なんですね。

西郷や大久保だけでなく、鹿児島が生んだ偉人をもっと知ると、鹿児島の良さをより深く理解できそうな気がします。

明日もお楽しみに。

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