薩摩の教え

郷中教育の歴史~島津義秀さんのお話②

今週は、郷中教育の成り立ちについて、加治木・精矛くわしほこ神社の宮司を務めるかたわら、薩摩武士道の精神を継承する活動に取り組んでおられる加治木島津家 第13代当主・島津義秀よしひでさんにお話を伺っています。


 

(島津さん)成立の年代が、確定はされていませんけれども、おおよそ1500年代後半。ちょうど時代としては戦国時代の後期、末期です。当時の薩摩を治めていたのは島津家ですけれども、島津家はまだ混乱期で、豪族たちと戦っている時代です。

例えば、菱刈一族、渋谷一族、肝付一族、そういうもともと地に入っていた豪族たちと、後発で入ってきた島津が戦う。
その島津のリーダーが加世田の領主であった島津忠良ただよし、のちに日新斎じっしんさいとなられるこの人が、いろいろ戦いをする中で、敵味方なく供養しろとか、あるいは地元に残されている子どもたちへの教えとなる倫理観とか教育指針をまとめ上げていく。これが『いろは歌』ですが、こういったものを作っていくんです。

その『日新斎いろは歌』が、「いろはにほへと」という文字を頭に冠した47首の道徳的和歌。
それを、当時、盲僧といわれる目の見えないお坊さんたちがお経を読むときに使っていた琵琶を改良して、薩摩琵琶というものをプロデュースし、そこに『いろは歌』のエッセンスを盛り込んだものを作詞して流行らせる・・・という仕掛けをしたわけです。

子どもたちの中に広めるということが目的なので、弾き手も聞き手も両方とも子どもたち。若いうちからそういったものが勉強会の中で育まれていった。。。

 


それでは、この続きはまた明日。

郷中教育の歴史~島津義秀さんのお話①前のページ

郷中教育の歴史~島津義秀さんのお話③次のページ

関連記事

  1. 夏休みこども企画

    夏休みこども企画「三州親善かるた取り大会」①

    夏休みがスタートして早くも10日が経ちました。今日から8月いっぱいは、…

  2. 薩摩の教え

    鹿児島の偉人たち~加来耕三さんのお話③

    今週は西郷南洲遺訓の紹介をお休みして、歴史家の加来耕三さんのインタビュ…

  3. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第9条「洋の東西を問わず、人間として大切なこと」

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  4. いろは歌

    いろは歌「む」(23番目の歌)

    今日ご紹介するのは、いろは歌の23番目の「む」の歌です。昔より 道な…

  5. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 追加2条「東洋の思想や歴史に学ぶ意義」

    旧庄内藩の藩士達が西郷さんに弟子入りし、その教えを書き記したものを一冊…

  6. いろは歌

    いろは歌「い」(1番目の歌)

    今週から、島津日新斉じっしんさいが人生訓を説いた“いろは歌”を一首ずつ…

PAGE TOP