薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第10条「文明開化とはどうあるべきか」

先週は、先月行われた「せごどんの遠行」の様子をお伝えしましたが、今週からまた『西郷南洲遺訓』の教えをご紹介して行きます。

今日は第10条「文明開化とはどうあるべきか」についてです。


人間の知恵を深め、技術や思想を発展させる、
すなわち、教育の根本的な目的は、愛国の心、忠孝の心を養うことである。
国のために尽くし、家のために働く…という、人としての道が明らかであるならば、
すべての事業は進歩するに違いない。

手っ取り早く分かりやすい分野を発展させようとして、
電信を架け、鉄道を敷き、蒸気で動く機械を作って、
人々の注目を集め、驚かすようなことをするけれども、
どういう理由があって電信・鉄道がなくてはならないのか、
また、本当に欠くことができないものであるかを、理解していないのはよくない。

ただ外国の物質的な豊かさをうらやみ、
それを取り入れることによって生じる良い点、悪い点を議論せずに、
大きいものでは建物の構造などから、小さいものでは子供のおもちゃに至るまで、
いちいち外国の真似をしている。

むやみに欧米のものをありがたがり、分不相応に贅沢をして、財産を浪費するならば、
国の力は疲弊し、人の心も軽々しく流され、結局日本は破綻するよりほかないのではないか。


この第10条では「社会に尽くす」という道徳を強調しています。
物の豊かさよりも、何が必要で、何が大切なのか、芯の通った考え方は今の時代こそ大切な気がします。

西郷南洲遺訓、明日は第11条をご紹介します。

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