いろは歌

いろは歌「か」(14番目の歌)

今日ご紹介するのは、いろは歌の14番目の「か」の歌です。

学問は あしたの潮の ひるまにも なみのよるこそ なほしずかなれ

まず、言葉の説明から…

  • 「潮の ひるま」の「ひるま」は、潮が干(ひ)いて、干潮になるの「干(ひ)る」と、朝昼晩の「昼」とをかけてあります。
  • 「波のよるこそ なおしずかなれ」の「よる」は、波が打ち寄せるの「寄る」と、朝昼晩の「夜」とをかけてあります。

次に「学問は あしたの潮の ひるまにも なみのよるこそ なほしずかなれ」の歌の意味です。
学問は、朝でも昼でも励まなければならないけれど、夜の方が特に静かで良いといった教えです。


日新斉じっしんさいは、幼い頃はヤンチャで、野山を駆け巡り、ひとときもジッとしていることはなかったようです。
ところが15歳で元服、今でいう成人式を迎えると、これまでの行動を深く反省し、自分が伊作家の家督を継ぐことに思いを強くし、机の前に座る機会が増えました。
昨日もご紹介したように、良い教師を得て、書物とニラメッコする時間が増えたと伝えられています。

例えば、学習時間を決め、その始まりの時間がくるとホラ貝を吹いて人々に知らせ、勉強中に人の訪問が無いよう工夫したり、旅行に行く際も書物を手から離すことがなかったようです。

もとより自然に備わりたる聡明の美質びしつ 年歯としはの進むに従いて愈々いよいよその光輝こうきを放つ』古文書こもんじょは記しています。

学問は あしたの潮の ひるまにも なみのよるこそ なほしずかなれ

日新斉は、これまでの経験から、このいろは歌の「か」を作ったのでしょう。
この歌 あなたの明日のお役に立てれば幸いです。

では、今日も鹿児島のこの言葉でお別れです。また明日。毎日めにっごわんそ!

いろは歌「わ」(13番目の歌)前のページ

いろは歌「よ」(15番目の歌)次のページ

関連記事

  1. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第2条「組織運営に必要なビジョン」

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  2. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 追加1条「思慮は平素に練っておくべき」

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  3. いろは歌

    いろは歌「そ」(18番目の歌)

    今日は、いろは歌の18番目の「そ」の歌をご紹介します。そしるにも 二…

  4. 薩摩の教え

    西郷と菅実秀の交流~菅秀二さんのお話①

    薩摩の教え、今週と来週は、「西郷南洲遺訓」を編纂した旧庄内藩にかかわり…

  5. 薩摩の教え

    郷中教育28

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。今回は、…

  6. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも立たない」前半

    今日は、「西郷南洲遺訓」の第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも…

PAGE TOP