ととナビvol.176 モクズガニ
先週はチュウゴクモクズガニ、つまり、上海ガニのお話でしたが、実際のところなかなか食べられる機会はないですよね?
🙇🏻:「でも安心してください。日本にはモクズガニがいます👍🏻」
鹿児島では山太郎がにと呼ばれているカニです。
上海がには高級がにとしてあんなにもてはやされているのに、山太郎がには「その辺にいる」身近なカニ。でも区別がつかないほどよく似ている近縁種なんですって。
コレがその写真です。👇🏻
爪の周りのフサフサの毛が、 もくず って感じです・・・😍
ところで、モクズガニ(山太郎がに)は川にいるカニだと思っていませんか? もちろん川にいるんですが、海にもいるんですよ。モクズガニは秋から冬にかけて(つまり今くらいの時期に)産卵期を迎えます。そしてその産卵は海で行われるんです。。。こんなかんじで。
親ガニは産卵場を目指して、秋から冬にかけて川を下り産卵。
そして海でふ化(モクズガニの一生は海で始まるのです!)。
生まれた後、しばらくの間は海で生活し、成長して甲羅が5㎜くらいになると川を遡上し始めます。
上流域までやって来た(大旅行です)カニは、3年くらいかけて大人になります。
そして、3年後の秋頃に成熟して大人になると、再び産卵のために海に向かうのです。。。。
🙇🏻:「海で繁殖を終えると二度と川を遡上することなく死んでしまいますので、川を上るのは子どもだけ。
そして海に降りるのは死を意味します。
海と川を一往復して一生を終えるんですね。」
♪ あぁ・・・恋の片道切符~😭💦
じゃあこんな看板も・・・
こんな味噌汁も・・・
One Way Tripのカニちゃんたちの旅の途中を私たちがいただいちゃってるわけですね・・・ぐっすん💧
とはいうものの・・・
👼🏻:「成熟した大人の大きなカニがみられるのは秋から冬だけです。なので、道路沿いのお店で「山太郎がに有ります」なんて看板が出るのは今の時期だけなんです。
何と言っても魅力は雌の内子、卵です。オレンジ色をしてます。定番は塩ゆでやみそ汁です。👆🏻」
さらに、もっとノリノリで・・・
👼🏻:「モクズガニの面白い食べ方があるんです。宮崎県の日南市北郷町の伝統料理、「かにまき汁」です。生きたモクズガニの甲羅を外してからそのまますりつぶすんです。途中で味噌を加えてさらにすりつぶします。粉々になるまですりつぶすので重労働ですね。これに水を加えて優しく煮ます。そうして出来上がったのがかにまき汁です。見た目、茶碗蒸しのようにも見えますが、ふわふわの食感の絶品の汁なんですよ。北郷町には食べられるお店がいくつかありますので、どうぞお出かけください。」
うーん、おいしそう・・・・ っていうか、絶対おいしい。 味の想像がつきます・・・☺(でもすり潰しちゃうんだ😱)
心が千々に乱れる中、今日は大富先生のこんないいお言葉で〆させていただきます。
「川の水は上流から下流への一方通行のように見えますが、モクズガニの子どもの小さな命は逆方向の流れを作っているんですね。季節に忠実な命の営み。今の時期、その一部をおいしくいただくわけです。魚食文化って本当にいいものですよね。」
・・・感謝していただきます。