【#5】帖佐人形 折田貴子さん
今週もお聞き頂きまして、ありがとうございました。
このコーナーでは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”・・・、
地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介します。
今回のささえびとは、素朴な土人形、鹿児島県の伝統的工芸品「帖佐人形」を作る職人さん、
折田貴子さんです。
帖佐人形は、どれくらい前から作られているものなんでしょうか?
鹿児島県内の人形焼きの最初といわれていて、400年以上の歴史があります。
文禄慶長の朝鮮出兵の折に、島津義弘公が韓国から連れ帰った陶工に「茶器」を焼かせていたらしいのですが、
その一方で、ふるさとを偲んで、自分たちへの慰みとして、
ふるさとに残してきた犬を土人形で作ったのが始まりといわれています。
その後は、どのように広がったのですか?
その後は、武士の内職として引き継がれていき、
3月・5月のお節句には子供の成長を祈念して贈られていたそうです。
その頃は、40軒ほど窯元があったそうです。
昭和に入って、戦争で一時は途絶えてしまいましたが、
昭和40年に祖父が復興しました。
ちなみに今帖佐人形の作り手さんってどれくらいいらっしゃるんですか?
今、私1人です。
折田さんが関わるようになったのはどのようなきっかけだったのですか?
子供のころから、祖父が制作している傍らで、私も人形を見よう見まねで作って遊んでいて、
楽しくて、魅せられて、学生時代も社会人になっても、休日はずっと祖父を手伝っていました。
ある日祖父から、「人形を継いでくれないか?」と言われたのと、職場の転勤をきっかけに、
本格的に祖父の手伝いをすることになりました。もう30年以上になりました。
作る上で折田さんが大切になさっていることはどんなことですか?
祖父がいつも「素朴さの中に、美を忘れず」という言葉を座右の銘にしていましたので、
私もきれいに作りすぎないように気を付けて作っています。
あとは目の入れ方ですね!
目で表情が変わってくるので、目の入れる時はとても緊張します。
最近「アマビエ」の帖佐人形を作っていらっしゃるんですよね?
コロナで心配な世の中になって、なかなか収まりそうにない時に、友人の後押しもあって作り始めました。
暗い世の中なので、明るい人形にしてみようかなーと思いまして、
うろこの部分を薄い緑と藤色にしたり、髪をピンク色にして、パステル調にしてみました。
アマビエをきっかけに、
若い人達にも帖佐人形を知って頂くきっかけにもなればいいなーと思っています。
これからどんな風に帖佐人形を守っていかれたいですか?
帖佐人形は400年以上前から続いている、郷土の大切な人形ですので、
絶やさないように、細く長くつないでいきたいと思っています!
「アマビエ」の帖佐人形は、
鹿児島県産業会館1階の 鹿児島ブランドショップ ・ 蒲生観光交流センターなどで販売されているそうです。
折田さん、これからも素敵な、優しい帖佐人形を作り続けて下さいね!
お話、ありがとうございました。