阪神・淡路大震災28年 都市直下、寝ている時に地震起きたら…今できる備えは?

6400人余りが亡くなった阪神・淡路大震災から28年です。鹿児島でもいつ起きるか分からない、都市直下での地震。命を守るために今のうちにできることは何か?考えます。


神戸市ではきょう1月17日、地震が起きた午前5時46分にあわせて、市民らが犠牲者を悼みました。

1995年1月17日、兵庫県南部を襲ったマグニチュード7.3、最大震度7の都市直下型の地震。死者は関連死を含めて6434人で、8割が倒壊した建物や家具の下敷きになりました。

鹿児島大学・井村隆介准教授
「街がこんな風になるんだと。非常にショックだったのは覚えている」

当時、現地の調査にもあたった、地震地質学が専門の鹿児島大学・井村隆介准教授です。都市の直下で、多くの人が寝ている時間帯の地震は、特に危険が多いといいます。

井村准教授
「寝ている最中は一番、無防備。普段から備えておくしかない。もし地震があったら、これが倒れてくるんじゃないかとか、意識しておくことが大事」

直下型の地震で大きな被害が出た例は、過去に鹿児島でもありました。1914年の桜島大正噴火の際に、噴火のおよそ8時間後にマグニチュード7.1、最大震度6の地震が発生。建物や石の塀が倒壊するなどし、29人が犠牲となりました。

当時に比べ人口密度が高くなった今、都市直下で地震が起きれば、被害はさらに大きくなるおそれもあります。

井村准教授
「インフラなどの被害は(大正時代に比べ)対処されていると思うが、一番怖いのは人の心の中に、地震があるかもしれないという気持ちがなくなること」

県内で去年、震度1以上の揺れを観測した地震の震源を示したものです。去年は173回、最大震度は4でした。赤色は震源が浅いことを示しています。阪神・淡路大震災も震源の深さが16キロと、比較的浅い場所でした。

震源の浅い地震は、九州から奄美の沖合いにかけて帯状に連なり、鹿児島市の周辺などでは去年は見られませんでしたが「地震はどこでも起き得る」と指摘します。

井村准教授
「鹿児島市のエリアは、震源がない。最近はないから、『地震は鹿児島市ではあまり起きない』と思うかもしれないが、起こってないからこそ今後が怖い」

揺れへの備えです。
●できるだけ寝室に物を置かず、家具を置くなら金具や突っ張り棒などで固定し、窓にはガラスの飛散を防ぐフィルムを貼る。
●避難する時のために、ベッドや布団のそばに、メガネ、懐中電灯、靴、ヘルメットか帽子などを置いておくと安心です。

(井村准教授)「防災グッズを準備しておくのは非常に重要だが、最初の揺れで下敷きになれば、いくら備えても何の役にも立たない。優先順位は、寝る空間に(揺れで)落ちてくる、倒れてくる、動いてくる物をなくすこと」

いつどこで起きるか分からない地震。起こる前の備えが大切です。

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