奄美の海洋生物を研究している興克樹さんです。
(興克樹さん)「産卵した翌朝とかは、卵が浮いてピンクの帯になっているような感じですごい幻想的な風景が見られます」
奄美市名瀬出身の興克樹さん(49)です。
奄美海洋生物研究会会長の興さんは、20年以上にわたり、サンゴの保全や、ウミガメの調査などを続けています。
海の生物への興味は、子どものころまでさかのぼります。
(興克樹さん)「近所の川とか魚をとって、それを家の水槽で飼育したりとか、中学ぐらいになったら、今度は熱帯魚とか飼育したりして、いろんな種類とか色とか模様とか、すごい興味があって生き物にのめりこんでいった」
興さんは大学卒業後、旧名瀬市役所に入りますが、海洋生物への思いが高じて2003年に市役所を辞め、研究者として独立します。
(興克樹さん)「たまたま自然遺産(登録)へという動きがあって、様々な調査とかサンゴ礁の保全を中心に増えていったので、独立してそういう業務をやりながら、奄美の海のこと自然のことについて調べてみようかなと」
サンゴ礁の保全、調査と並行して興さんは、奄美周辺に現れるザトウクジラやミナミバンドウイルカなどの個体調査も行っています。
ホエールウォッチングやザトウクジラと間近に泳げるホエールスイムなどを冬場の観光資源としてアピールしていきたいと考えています。
(興克樹さん)「ザトウクジラというクジラがいまして、冬の間、繁殖のために奄美沖縄にやってくるが、その数がだいぶ増えてきて、ホエールウォッチング事業も、事業として成り立つようになってきた。冬場の観光資源としても、地域資源としても保全しながら活用できるまでに成長した」
世界自然遺産への登録は、島の価値を知るきっかけになると興さんは考えています。
そのためには、まず子どもたちが、自然を間近に感じる機会が必要だとも。
(興克樹さん)「大きな目標として自然遺産というものができて、それにみんな目を向いたということで、より自分たちの島の価値を知る。そういう感じで守らなければいけない、保護しないといけないという意識が高まっている。例えば島の子どもたちに、一度はサンゴだらけの海で泳いでほしい。あとはウミガメの産卵を見てほしい。ザトウクジラ本物を間近でその大きさとか力強さを感じてほしい。
体験というのは、本人たち子どもたちの中に残るのでそういう機会を増やしてあげたい」