接戦を制した鹿実が4年ぶりの優勝! 高校野球・夏の鹿児島大会



球児たちの熱い戦いが繰り広げられた高校野球、夏の鹿児島大会。
7月24日は決勝が行われ、鹿児島実業が大島高校を破り4年ぶり20回目の夏の甲子園出場を決めました。

春の「センバツ」に続き甲子園を狙う第1シード大島と、10年ぶりのノーシードから勝ち上がってきた鹿児島実業の、夏の甲子園出場をかけた決勝戦。
鹿児島市の平和リース球場には試合開始前から長い行列ができ、開門時間も9時半から50分早められました。

試合は、プロ注目の左腕・大島の大野稼頭央と、去年夏の決勝で負った左ひじのけがから復活した鹿実の赤嵜智哉…、両エースの投げ合いに。5回が終わって両チーム無得点と0行進が続きます。

(すべての試合を1人で投げぬいた 大島のエース・大野稼頭央投手)

(切れのあるスライダーを武器に決勝で二桁奪三振 鹿実のエース・赤嵜智哉投手)

中盤には、鹿児島大会では異例ともいえる外野スタンド解放が行われるほど観客が詰めかけるなか、試合が動いたのは6回表。
鹿実が1アウト2・1塁の先制のチャンスを作り、打席には8番の筏。力強く捕らえた打球はショート強襲のタイムリー内野安打に。鹿実が先制に成功すると、続く田中にもタイムリーが生まれリードを2点に広げます。
さらに7回表には、4番の永井がバントで得点圏へランナーを送ると、続く5番・濱崎(※さきは立つ崎)がレフトへのタイムリー2ベースを放ち、貴重な3点目を奪います。

(待望の先制打を放つ 鹿実・筏伸之助選手)

最終回のマウンドにも上がった大島のエース・大野は、1アウトからチームを鼓舞する2者連続三振。勢いをつけ9回ウラの攻撃に。
大島は、先頭の武田が出塁しますが、続く西田が赤嵜の好守に阻まれ、ピッチャーライナーでダブルプレー。2アウトランナーなし、大島は土俵際まで追い込まれますが、ここから持ち味の「粘り」を見せます。
ヒットなどで3・2塁とチャンスを作ると、代打に送られた青木が、サードの頭上を越えるレフト線へのタイムリー。3対2と1点差に詰めると、なおも2アウト2塁。ランナーが帰れば同点という場面で、打席にはここまで打率5割と今大会絶好調の美島を迎えます。対するは先発・鹿実のエース・赤崎。2ボール1ストライクからの4球目。金属音とともに弧を描き飛んだ打球はライトフライ。赤嵜がこのピンチをしのぎ切り試合終了。

(聖地・甲子園への切符を手にし叫ぶ 赤嵜投手)

3対2と接戦を制した鹿児島実業が4年ぶりの優勝で、県内最多に並ぶ20回目の夏の甲子園出場を決めました。

試合後の挨拶では、熱投を見せた両エースが強く抱き合う姿がありました。
決勝戦を投げ切った鹿児島実業の赤嵜投手は「大野には負けたくない気持ちもあった。試合後大野に『甲子園で頑張ってくる』と言ったら、『頑張ってこい』と言われたので、甲子園では大野の分も頑張りたい」と落ち着いた表情で話しました。

(「大野の分も頑張る」激闘を終えた両エース・固い絆が結ばれた)

また、チームを引っ張る駒壽太陽主将は「ノーシードといわれてとても辛かったが、そんなの関係ないぞと思いながらここまでやってきた。鹿児島県の代表として、甲子園では大暴れしたい」と力強く語りました。

(力強く語った 鹿実・駒壽太陽主将)

高校球児たちの聖地・甲子園での戦いは、8月3日(水)に抽選会が行われ対戦相手が決まり、8月6日(土)に開幕します。

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