ボクシング・岡澤セオン選手 パリ五輪内定!県勢第1号

(岡澤セオン選手と日本代表コーチでありジムの会長の荒竹俊也さん 「二人三脚」で勝ち取ったパリ五輪の切符に笑顔を見せた)

アジア版オリンピックとも言われ、19回目の今回は、中国・杭州で行われている「アジア大会」。

10月3日はボクシング男子71キロ級の準決勝が行われ、鹿児島県・鹿屋市を拠点に活動する岡澤セオン選手が、現・世界選手権チャンピオンのカザフスタンの選手に逆転で勝利し、見事決勝進出。
銀メダル以上を確定させると同時に、この大会の各階級上位2人に与えられるパリ五輪の出場権を手に入れました。
パリ五輪の鹿児島県関係選手の内定、第1号です。

パリ五輪への切符が掛かった準決勝の相手は、カザフスタンのA・シュムベルゲノフ選手。今年5月にウズベキスタンで行われた「世界選手権」の同階級のチャンピオンで、格上との対戦となりました。

試合は序盤から岡澤セオン選手の戦前の予想通り「ギリギリの駆け引き」となります。
第1ラウンドは、リーチの長い相手選手の動きをよく見ながら間合いに入り、ボディーなどへの攻撃を続けた岡澤選手でしたが、積極的に前に出てくる相手のパンチを浴びて劣勢の展開に。第2ラウンドに入ると、岡澤選手の持ち味の「アウトボクシング」(=相手の攻撃を受けない距離を保ちつつ、攻撃する戦法)が冴え、相手の攻撃をかわしつつ、有効打の数を増やします。それでも、採点では劣勢のままでした。
運命の第3ラウンド。相手に疲れが見え始め、大振りになったところを、磨いて来たステップで相手の攻撃をよけて、ボディーや連打で何度も有効打を奪った岡澤選手。そのまま試合終了となり、両こぶしを突き上げて勝利をアピール。
パリ五輪の切符は判定に・・・。

会場内への「勝者は、レッドコーナー!・・・」のアナウンスを聞くと雄たけびを上げ、リングに膝をつき何度も何度も喜びを爆発させた岡澤選手。
判定は3対2。見事、接戦を制し、事実上の予選となった今大会でパリ五輪出場を内定させました。

試合後、インタビューエリアに笑顔で入って来た岡澤選手。

Q>戦いを終えた率直な感想は?
A>やっちゃった!やっちゃった!って感じですね本当に(笑)
今回、いままでのルーティーンとかを全部やめて、気負わず、楽しむって気持ちだけでやれたので、やっぱり自分は、そういう人間なんだなと思いました。本当に、やっちゃったなという気持ちですごい一杯です。
勝って思うのは、本当に色々な人のお陰だなということです。荒竹会長(拠点を置く鹿屋市のジム/日本代表コーチ)がセコンドについてくれる大きな大会は久しぶりだし、もしかしたら、最後になるかもしれないという思いもあった。すごい心強かったし、一つ良い結果を残せて、マジで嬉しいです。

Q>1ラウンド目を取られるなど、世界選手権王者相手の試合を振り返っていかがですか?
A>やっているときは分からないものですね。めちゃくちゃパンチをもらってるし、ストレートもバチンともらってたんですけど、始まる前から気負わなかったのが良くて、どうなっても、最後まで「自分のボクシング」をやりきろうと思っていました。相手も強いですが、それよりも「僕を捕まえたらたいしたもんだ」と話をしていたのでちょこちょこ捕まえたてきた相手が、大したもんですね(笑)。
最後まで「自分のボクシング」をぶらさずにできたのが良かったです。

Q>改めて、五輪への気持ちを聞かせて下さい。
A>ずっと金(メダル)だけを見てやってきているので、とりあえず僕を応援して下さっている人たち、見て下さっている人たちに、五輪に出ている姿を見てもらえるのが嬉しいです。僕を追っていたら、絶対にいいものが見られるって約束できるので、これからも僕のことを見ていて下さい。絶対に「最高の景色」を見せるので、僕のボクシングを、日本のボクシングを、アマチュアボクシングを是非見て下さい。

Q>あしたは、決勝ですが。
A>「パリで金メダル獲る」ってこれだけ言って、「僕を見てたら最高の景色を見られる」ってこれだけ言って、次、早速こけたら(=負けたら)だいぶ「ほら吹き」なので、このアジア大会を見てくれた人には「みて良かった」と思えるような試合をするので、ぜひ僕の試合を見て下さい。そしてあす、坪井選手の試合も、原田選手の試合もあるので、その二人が五輪を決める試合も、きっとスゴイ試合になると思うので見てもらって、応援をお願いします。

Q>この大会を1年の一番の目標に置いて、「五輪出場を決める」という目標も達成しました。
苦しいことも経験してきましが、振り返っていかがですか。
A>もう、「やったっすよ!」って気持ちです。正直いまは、それ以外、何もないです。
アレですね・・・「何にも言えねー」ってなるんですね。とにかく嬉しいです。あした(の決勝)、絶対勝ちます!

笑顔で会場をあとにした岡澤セオン選手は、自身初のアジア大会での金メダルを掛けて、日本時間の10月4日・午後9時45分から、台湾のKAN Chia Wei選手と対戦します。

関連記事一覧