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みんなでかごしまSDGs「稲盛機工店」

縁の下の力持ち。鹿児島のインフラを支え続けて70年

今回は鹿児島市宇宿にある「株式会社稲盛機工店」のSDGsの取り組みについてレポートする。

稲盛機工店は昭和25年に創業。2022年で72年目を迎えた老舗企業である。

  • 会社名    株式会社稲盛機工店
  • 設立(創業) 1950年8月15日
  • 代表者    代表取締役 稲盛 一誠
  • 本社     〒890-0073 鹿児島県鹿児島市宇宿二丁目9番24号

風水力機器(ポンプ・送風機)・電力設備(発電機他)の販売・設計・工事・サービスまで一貫して自社で対応できるという強みを武器に県内の民間設備関連・九州電力・官公庁を中心とした幅広い納入実績を誇る。

山下昌一さん(取締役 総務部部長)

水や空気、電気などのインフラ設備の販売・施工を行っている特性から、緊急対応・メンテナンス業務も欠かせない。鹿児島市内はもちろん、台風や災害に脆弱な離島(営業所のある種子島の西之表市のほか奄美大島や喜界島その他十島村など)においても地域の生活を守る使命感のもと私達の生活基盤を支える縁の下の力持ちである。

スローガンは「きれいな空、きれいな水、ゆたかな心」

── このスローガンについて教えてください

@山下昌一さん
創業者が作ったもので、創業当初からこの強い思いのもと事業活動を推進しています。
具体的には次の3つです。

  1. 社内外に対し環境負荷低減に資する継続的な取組み。
  2. 環境保全に貢献出来る最適な製品とサービスの提供。
  3. 最適な設備機器の提案や老朽化した設備機器の取替によるエネルギー効率の向上。

── 創業当初から続くこの思いが、SDGs宣言につながったのでしょうか?

@山下昌一さん
はい、世界的に環境への関心が高まり、Quality of Lifeの向上を追及するSDGsの精神は、創業より私たちがこれまで従事してきた社会インフラ整備事業の精神に合致するものと考えます。つまり私達にとってSDGsはこれまで実践してきたことの延長線上にあり、無理してやるというよりは、自然体で取り組んでいけるのではないかと考えました。

── SDGs達成への貢献に向けて実践していることは?

@山下昌一さん
私たちは地域社会のインフラ整備に携わり、水道・電気の安定供給や維持に努め、地域社会に快適さと安心感の提供。災害に強いまちづくりに寄与するインフラ設備の点検・メンテナンス及び最適設備の提案。災害や設備故障時における早期復旧へ取り組むことで持続可能な社会づくりへの貢献に繋がると考えています。

しかしそれらを実現するためには”人”が欠かせません。

人の和合

みんなでかごしまSDGs「稲盛機工店」
稲盛機工店の会議室に掲げられた社是

@山下昌一さん
私達の会社の社是に「人の和合」という言葉があります。和合とはうちとけて仲よくなる、一つになるといった意味なのですが、文字通り我社では社員同士の仲もよく、目標に向かって協力し合う風土があり、ベテラン社員に限らず女性社員や若手社員も自分の力を十分に発揮でき、やりがいを持てる環境があると自負しています。

稲盛機工店を支える女性従業員の皆さん

── その環境づくりに注力される理由はなんでしょうか?

@山下昌一さん
私達の事業ができるのもそれに携わる”人(社員)”がいてくれるからです。
この社員一人ひとりが仕事を通して充実した幸せな人生を送れること、そしてその一人ひとりが参加するこの会社が社会的に評価され健全に発展していくことが、ひいては社会全体の充足に貢献することに繋がると考えているからです。この点においてはSDGs目標8「働きがいも経済成長も」に合致する考え方ではないかと思います。

向き合ってくれてありがたかった

実際に現場で働く従業員の方にお話を聞いてみた。

総務部:米山ひとみさん(鹿児島市出身、会計業務に従事、小学生の子供を持つ子育て世代)

── 子育て世代としての働きがいとは?

@米山ひとみさん
社会人、組織人としての礼節は大切ですが、上下関係をあまり意識しすぎず相談できるような雰囲気がとてもありがたく、働きやすい環境だなぁと思います。私はキャリアを重ねる一方、結婚、出産、育児と様々なライフステージも経験しました。産休や育休制度もありますし、会社からも家庭を優先して、と言って頂ける環境にあり安心して働く事ができています。キャリアを積みながら、家庭も大切にできることが私にとっての働きがいにつながっています。

営業部:畠山恭一さん(鹿児島市出身、23歳、関東での機械メーカー勤務を経て、2021年入社)

── 入社の経緯を教えて下さい

@畠山恭一さん
はい。実は入社前に約1ヶ月職業体験をさせていただいたんです。その期間中に会社の雰囲気や仕事内容などを知るにつれ、ここで働きたいと思い入社を決意しました。

── 営業部に在籍されている中で働きがいについてどのように感じますか

@畠山恭一さん
入社してすぐに会社に対して「自分にあった仕事が何なのかわからないので様々な部署を経験させて欲しい」と伝えた所、そこから3ヶ月、ほとんどの部署を経験させて頂きました。その後、適性を話し合い、現在の営業職に着任となりました。生意気なお願いにも関わらず向き合ってくれてありがたかったですし、今、一生懸命働けていることに繋がっていることは間違いないと思います。

それは映画のワンシーンのように。

── 私達の生活基盤を守る縁の下の力持ちの御社には、更にそれを支える社員の力があるのですね。

@山下昌一さん
当社はインフラ整備の販売・施工を行っていますので日中での作業以外に休日や夜間での作業も発生します。中には緊急対応もあり、それらの対応においてもみんなが協力しあって作業に向き合ってくれます。
その中で私には忘れられない出来事があるんです。十数年前、電力設備の不具合により全停電の可能性がある地域がありました。全停電を防ぐために技術職員総出で夜通し復旧作業にあたり、無事に全停電を免れました。明け方その作業を終えた沢山の技術職員たちを会社で出迎えたのですが、みんな疲れているものの、結束して停電を防いだ安堵感、充実感などもあいまってか、その姿が映画で見るような英雄たちの帰還に見え、私は心から”かっこいい”と思ったことがありました。

今思えば、これこそが、人の和合を以って持続可能な社会づくりへ貢献する我が社を象徴する姿だったのかもしれません。

目標3 すべての人に健康と福祉を

── これからの目標を教えてください。

@山下昌一さん
私たちはこれまでも水や空気等に関する事業を通じ環境の明日を考えてきました。昨今では動物の糞を再利用し堆肥化するコンポスト設備の施工やメンテナンスなども担っております。世界的な環境への関心が高まるにつれ事業領域も拡大しています。私たちはこれからも働く社員の幸せを考え、これまで従事してきたインフラ整備事業または責任ある企業活動を通じて、社会が直面する課題に率先して応え、より良い社会の建設に貢献しようと思います。

「きれいな空、きれいな水、ゆたかな心」

創業よりの願いを胸に当社は未来に向かってさらに羽ばたいていきます。

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SDGsとは?

SDGs

SDGsとは、Sustainable Development Goals”の略で「持続可能な開発目標」と訳されるものです。
2015年の国連サミットで採択されたSDGsは、国際社会が2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットが掲げられています。
2030年まであと10年となった2020年、「行動の10年」として取り組みの拡大が求められています。

SDGs:参考
国連広報センター 

SDGメディア・コンパクトに加盟しています

株式会社 南日本放送(本社:鹿児島市、代表取締役社長:中野寿康)はSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)推進のため、2020年12月、国連の「SDGメディア・コンパクト」に加盟しました。

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