いろは歌

いろは歌「に」(4番目の歌)

きょうは、いろは歌の「に」をご紹介します。

似たるこそ 友としよけれ まじわらば 我にます人 おとなしき人

まず、言葉の解釈ですが、「友としよけれ」、これは「友達としやすい」という意味です。
「我にます人 おとなしき人」は、つまり「自分より優れた人・立派な人」を意味します。

歌全体の意味は、友人と交わる、すなわち交際上の注意を教えられた歌で、

人は知識や趣味、あるいは思想・物の考え方など、自分と同じ程度の人とは友人になりやすいけれど、それでは進歩出来ない。
自分を、より高く進歩・向上させたいのであれば、自分より遥か優れた知識や徳育の人と交際した方が良い。
要するに交わる友達によって己も向上するし、反対に堕落するものであると教えています。

一言で言うと“朱に交われば赤くなる”のことわざと同じことを説いているのです。
確かに付き合っている人が楽しい人ばかりだと、自分自身の向上を図るのは難しいのかも知れませんね。


日新斉じっしんさいを預かっていた海蔵院かいぞういん頼増らいぞう和尚も“友達を選ぶ”ことに細心の注意をはらいました。
彼が悪友とともに人を傷つけたり、仲間はずれをたくらんでいるのを見ると、その度にお寺の太い柱に、日新斉を何度も何度も縛りつけ反省を求めたと伝えられます。

似たるこそ 友としよけれ まじわらば 我にます人 おとなしき人

この一首 是非、唱えてみて下さいね。
ではまた明日、元気にお会いしましょう。毎日めにっごわんそ!

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