薩摩の教え

郷中教育44

今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。
郷中の組織は、年齢別に「稚児ちご」、「二才にせ」、「長老おせんし」に分けられます。
かつて郷中で暮らしていた稚児たちの遊びには、『猪狩ししがりいくさの真似・大将取り・降参言わせ』などがありましたが、その中の「馬追い」が現代にどんな形でつながっているか・・・ということを紹介してまいりました。
今朝は、馬に関係する「馬頭観音祭ばとうかんのんまつ」についてお伝えしてまいります。

 

馬頭観音ばとうかんのん」とは、ご承知の通り、馬の頭を持つ観音様のことで、馬の守り神、または死んだ馬の冥福を祈る為に建立されたと言われています。
鹿児島県内には、数え切れないほど存在し、それぐらい薩摩と馬頭観音ばとうかんのんえにしの深さがしのばれます。
鹿屋市輝北町で催されていた「馬頭観音ばとうかんのん供養築くようつき」をご紹介しましょう。

 

供養築くようつきは、集落のやや小高い丘の上で催されます。
『1メートルほどの土を盛り、周りを竹の棒で囲み、さらに芝を張り、最後に小さな松を植えます。この松を供養松と呼びます。』
いたって簡便かんべん・質素な行事ですが、4月から5月にかけて、馬の無病息災を祈って、昭和のはじめ頃まで県内各地で催されていたといいます。
それだけ薩摩藩は、数多くのまきで馬を放牧していたのです。
そんな点から薩摩は、名馬の特産地と言われていたのでしょうね。

 

では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また明日。毎日めにっごわんそ!

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