薩摩の教え

郷中教育10

先週から薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。

薩摩は『人は城 人は石垣 人は壕』がまつりごとの基本で、つまり人を以て守り、人を以て防ぐのが本流でした。
従って島津氏は、鶴丸城を、やぐらを持たない平らなお城・平城ひらじろとしました。
敵を防ぐお堀や石垣などの障害物は、一切構築せず、攻撃を受けた際には、お侍さんが堀や石垣の身代わりとなって防御するシステムでした。
そのため、島津氏は、薩摩藩全域を城下と外城に分けたのです。

鶴丸城下に住む士族・お侍さんには、城下にやしきを与え、扶持米ふちまいというお殿様が給与として授けるお米に換えてきんを給与するケースもありました。

その城下侍の家に男子が生まれると、夫婦は、男子をつれて城に出向き、誕生を報告。
お殿様は、赤子を膝の上に抱き上げ、髪をなでながら、父の人柄、外見に似て、よき生まれつきであると誉め、成人したのちは、文武に心がけ、父に劣らない武士になれる、それが何よりの国の宝であると期待を述べ、赤子を両親の元に返す・・・というのが常でした。

その子の成長に従い、両親はお殿様が「お前は国の宝である」と述べた言葉を常に言い聞かせて育てるので、子供達は、立派な武士に育ち「文武に心がけないものは、いなかった」と伝えられます。

藩主=お殿様による薫陶と郷中教育によって育てられた二才にせ侍は、充分に城となり、石垣となっていったのです。

では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。
また来週。毎日めにっごわんそ!

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