いろは歌

いろは歌「さ」(37番目の歌)

今日ご紹介するのは、いろは歌の37番目の「さ」の歌です。

酒も水 流れも酒と なるぞかし ただなさけあれ 君がこと

まず、言葉の意味から。

  • 「酒も水 流れも酒」とは、中国の故事からきているようです。

その故事とは・・・
中国、春秋時代のえつの国に匂踐こうせんという王様がいて、ある時、酒をもらったものの、自分ひとりで呑んでしまうのは勿体無い。かといって、みんなに呑ませるだけの量は無い。
そこで考えた挙句、川の上流から酒を流して、兵士に呑ませることにした。このことを知った兵隊達は、有難く、川の水を呑んだ。
そして、彼らは、匂踐こうせんに忠誠を誓い、次の呉の国との合戦で勝利を収めることが出来た。
― というのが、「酒も水 流れも酒」の故事なのです。


酒も水 流れも酒と なるぞかし ただなさけあれ 君がこと

歌の意味です。

情け・愛のこもった言葉だと有難く感じ取ってもらえるが、反対に愛情の無い言葉をかけては、相手に水のように聞き流され、そっぽを向かれてしまう。
即ち、上に立つ者の一言一言に、全て情けがこもっていなければ、下の者は、ついて来ない。
そのことを歌ったのが、いろは歌の「さ」の歌なのです。

酒も水 流れも酒と なるぞかし ただなさけあれ 君がこと

では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また明日。毎日めにっごわんそ!

いろは歌「あ」(36番目の歌)前のページ

いろは歌「き」(38番目の歌)次のページ

関連記事

  1. いろは歌

    いろは歌「る」(11番目の歌)

    今日は、いろは歌11番目の「る」の歌をご紹介します。流通るづうすと …

  2. いろは歌

    いろは歌「ち」(8番目の歌)

    今日ご紹介するのは、いろは歌の「ち」です。知恵能ちえのうは 身につき…

  3. 薩摩の教え

    郷中教育16

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介していきます。先週…

  4. 薩摩の教え

    斉彬のすごさとは~加来耕三さんのお話⑤

    今週は西郷南洲遺訓の紹介をお休みして、歴史家の加来耕三さんのインタビュ…

  5. 薩摩の教え

    郷中教育21

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介していきます。&n…

  6. いろは歌

    島津日新斉の生い立ち その3

    今週は、いろは歌を創った島津日新斉じっしんさいの家系をお伝えしています…

PAGE TOP