旧庄内藩の藩士達が西郷さんに弟子入りし、その教えを書き記したものを一冊に纏めた「西郷南洲遺訓」。9月から毎日1条ずつご紹介してきましたが、今日が遺訓最後の項目になります。
それは追加の2条「東洋の思想や歴史に学ぶ意義」についてです。
漢学を学んだものは、中国の古い書物・漢籍をもって「天の道」、
すなわち、人として正しく生きる道を学んだのであり、決して無駄ではない。
天の道は、万物自然の道理であって、古今東西の別は関係ない。
今日の国際情勢について知りたいと思うのなら、『春秋左氏伝』から熟読し、
『孫子』を参考にすればよい。
何千年も前のことであろうと、東洋と西洋の違いがあろうと、
人間のやっていることは所詮、それほど変わりはない。
他国と交渉し、渡り合う・・・という、国際交渉の本質を見抜く力と術を学ぶべきであろう。
さて、ここまで西郷さんの遺訓をご紹介してきましたが、実は西郷さん、200近い漢詩も残しています。
遺訓はいわば「インタビュー」でしたが、漢詩は西郷さん自作の詩。友人や知人に送ったものや、偶成といって、ふと頭に浮かんだ呟きのようなものまで様々です。
遺訓とはまた違った趣のある漢詩を、明日以降いくつかご紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに。