薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第1条「人の上に立つ者の心構え」

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今日から『西郷南洲遺訓』の中身をご紹介して行きます。

今日は第1条「人の上に立つ者の心構え」についてです。


政府の閣僚となって国の政治を行うことは、天地自然の道理を行うことと等しい。
そうであるから、そこには少しも私利私欲をはさんではならない。

どんなことがあっても心を公平にして正しい道を選び、広く賢明な人材を選んで、その職務を忠実に実行できる人に政権を執らせることこそ、天意である。

それゆえ、本当に賢明で適任だと認める人物がいたら、すぐにでも自分の職を譲る覚悟でなくてはならない。

過去にどんなに国に功績があったとしても、その職務に適任でない人物を重要な官職につけておくというのは、最もしてはならないことである。

重要な官職は、その人の資質、能力をよく選んで授けるべきで、功績があった者には、給料や褒美を与えて報い、感謝するのがよい方法である。


重要なポストにつくべき人は、「私利私欲を挟まず、資質と能力がある人」であると説いています。
これは政治ももちろんですが、会社や組織などについても同じことが言えるかもしれません。

「私利私欲がないからこそ国や組織のために貢献できる」その姿を下につく者が見て学べる。
そして、さらに優秀な人材が現れたら潔く職を譲る。

この第1条を読むと、私も含め、特に社会人の人は、背筋が伸びる思いになった方も多いかもしれませんね。シンプルながらも実現が難しい第1条、だからこそ、常に能力を高める努力が必要なんだなと、原点に立ち返れます。

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