いろは歌

いろは歌「ち」(8番目の歌)

今日ご紹介するのは、いろは歌の「ち」です。

知恵能ちえのうは 身につきぬれど 荷にならず 人はおもんじ はずるものなり

まず、言葉の説明から…

  • 「知恵」とは、物事の道理を判断し、処理していく心の働きのことを言い、また、物事の筋道をたて、計画し、正しく処理する能力のことです。
  • 「能」とは、芸能のこと。
知恵能ちえのうは 身につきぬれど 荷にならず 人はおもんじ はずるものなり

この歌の意味は、

知能は、身につけても荷物にはならない。かえって知能を備えている人を世間の人たちは、敬い、かつ、重んじてくれる。
そして、自分が知能を備えた人に及ばないことを恥ずかしく思うものだ。従って、私たちも知能を磨くことに懸命の努力を尽くすべきだ。

と庶民を諭したのが「ち」の歌なのです。


日新斉じっしんさいの時代の学問は、漢学かんがく儒学じゅがく
儒学とは、中国古代の学問で、孔子の唱えた倫理政治規範を体系化し、四書五経ししょごきょうを備えています。
四書五経ししょごきょうとは、儒教の経書けいしょの中で特に重要とされる経典けいてんのことです。
そして中国の学問で、日本に4・5世紀ごろに伝来したのが“論語ろんご”。
日新斉は、四書五経ししょごきょうの四書にあたる論語ろんご孟子もうし大学だいがく中唐ちゅうようによく目を通し、中でも好んで読んでいたのは、大学だいがく。つまり中国の思想書でした。
繰り返し、繰り返し読まれたため、表紙がボロボロになり、三度も表紙を修復したと記録されています。

知恵能ちえのうは 身につきぬれど 荷にならず 人はおもんじ はずるものなり

この歌のように、私たちも知恵をつける努力を惜しまず致しましょう。
それでは、また明日、元気にお会いしましょう。毎日めにっごわんそ!

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