【#11】姶良市加治木町くも合戦保存会 副会長 川原卓郎さん

 

今週もお聞き頂きまして、ありがとうございました。

「日本を元気に!あなたの街のささえびと」レポーターの鶴園直子です。

このコーナーでは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”、

地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介します。

今週は「歴史ある伝統行事を支える人」ご紹介しました。

今回のささえびとは、

姶良市加治木町で例年6月に開催される伝統行事「姶良市加治木町くも合戦」

姶良市加治木町くも合戦保存会副会長、川原卓郎さんです。

 

🕷昨年今年と、新型コロナの影響で開催が見送られることになりました。

くも合戦大会の長い歴史の中で中止になったのは、

第2次世界大戦中と、平成22年に宮崎県で発生した「口蹄疫」の時だけでした・・・。

毎年参加される方々から問い合わせもあったり、

子供たちからも「2年続けて中止になって残念・・・」などの声を聞きました。

 

🕷加治木のくも合戦は、古い歴史があります。

くも合戦は、

薩摩の藩士・島津義弘公が、文禄・慶長の役に参戦した時に、

その陣中で兵士を元気づけるために、コガネグモのメスを集めて戦わせたのが始まりと伝えられています。

現在は、くも合戦保存会主催で、

毎年6月の第3日曜日に、加治木町福祉センターで開催しているんですが、毎年150人近い参加があります。

 

🕷実際の行事ではどんな風に競い合うんですか?

くも合戦は、大きくはつの部門があります。

1つは・・・クモの色艶や姿・形の美しさを競う「優良ぐもの部」

2つ目は・・・長さ60㎝の細い棒の上で、コガネグモのメスを向かい合わせて対戦させる「合戦の部」

そして最強のくもを決める「王将戦」ですね!👑✨

 

🕷今年も大会は中止となりましたが、この伝統を守るために欠かせない保存会の活動が・・・。

毎年「くもの生息調査」を行なっています。

今年もゴールデンウイークに行ってきました。

色々なところにおこないますが、

近年は、薩摩半島では南九州市・指宿市、大隅半島では鹿屋市や肝付町が主です。

 

🕷どれくらい前から生息調査をされているんですか?

生息調査を行なうようになったのは、昭和60年頃からで、35~36年になると思います。

加治木町の周辺にくもが少なくなって、子供たちがくも合戦大会に参加するのが難しい状況になってきたため、

保存会では子供たちをバスでくも採集に連れて行くことになりました。

この子供たちのくも採集がきっかけで、調査が始まりました。

 

🕷調査をされてみて、いかがですか?

くもの数は年々減少しているように感じます。

都市化で開発が進んで、くもにとっては住みにくい環境になってきているのではないでしょうか?

 

🕷くも合戦の伝統を繋いでいくうえで、生態系にも配慮しながら続けていくことが大事!

くもは、昔は庭や軒先などでも見かけられる、とても身近な存在でした。

自分たちの年代位までは、くもを戦わせることは遊びの1つで、誰もがやっていたと思います。

しかし今は、くもを見ることさえも難しい状況です。

保存会では「くも牧場」を作れないだろうかと話しをしています。

子供たちにも、学校訪問などを続けながら、くもを身近に感じて、くもを大好きになってほしいと思っています。

 

来年こそは盛大に、にぎやかに開催されるといいですね!

川原さん、

貴重なお話をありがとうございました!

 

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