踊り指導30年 鹿屋市・89歳
鹿屋市で踊りの指導およそ30年続ける89歳女性
14日夜、鹿屋市串良町の公民館で開かれた踊りの教室。指導しているのは中村スズさん(89)です。
鹿屋市生まれの中村さんは、17歳の時に就職でふるさとを離れ、長く大阪で暮らしていましたが、30年ほど前に帰郷。小学5年生で地域の人の指導を受けて踊りを始めた中村さんは、帰郷後に地元の公民館で「股旅もの」を中心に踊りの指導をするようになりました。
70代から80代の7人の教え子たちが踊る様子を見つめる中村さん。その表情は真剣そのものです。
(中村さん)「(生徒さん)それぞれ違いますけど、みなさんが私についてきて一生懸命練習しているのが一番。私も楽しみですし、踊りが済んだ後、みんなでお話しするのも楽しみです」
みんなで踊る「おんなの花道」では、中村さんも自ら踊りに加わり、指導します。教え子たちも中村さんの指導に感謝しています。
(竹井キヨ子さん・75歳)「今、3年なんです。新人なんですよ。手取り足取り教えていただくから、何とかついていっています」
(松元輝雄さん・81歳)「(中村さんは)ものすごく元気でですね、100歳まで大丈夫ですよと、みんな言っているんですよ。まだ10年ぐらいありますから、その分、元気でがんばってもらいたい」
そしてこの日、教え子たちから中村さんに感謝の花束が贈られました。
(教え子)「私たちをここまで指導して下さってありがとうございます。今からも長生きして、私たちに指導してください」
元気の秘訣、踊りで元気を届けたい
そんな中村さんの元気の秘訣は大好きな踊りです。
(中村さん)「私は病気をしたことがないし、風邪をひいたこともないし、それ(踊り)がいいんじゃないかと」
そして、もう一つ、共に暮らす大好きな仲間たちも。
(中村さん)「猫ちゃんも、犬ちゃんも。猫は10匹ぐらいいます。動物が好きですね」
中村さんは公民館での指導のほかに、長年、高齢者施設の慰問活動にも取り組んできましたが、新型コロナの影響で今はできない状況が続いています。
(中村さん)「今までは、養老院や病院に慰問に行ってたんですよ、知覧までも行ったんですよ。今、それができないけど、いつかはまた、できる日がくるかもわからないので。一生懸命練習しています。それが一番なんです」
早く新型コロナが落ち着いてまた踊りで多くの人に元気を届けたいと、中村さんは練習を続けています。