「東日本大震災から10年 私たちの備え」
このコーナーは私の山口真奈がいま流行っていることや気になった話題をお話しています。きょうは、まもなく東日本大震災から10年。毎年3月には、宮城県で私が体験したこと、家族を津波で失った高校時代の友人の話などをしてきましたが、改めて「鹿児島に住む私たちの 地震や津波への備え」について一緒に考えていきましょう。
今でも鮮明に覚えていますが、10年前の3月11日午後2時46分、屋外で大きな揺れに襲われました。仙台市内にいたのですが、震度6強の揺れが3分近く続き、その場から一歩も動けず、何かに掴まっていないと立ってもいられないほどでした。内陸部だったので、津波の被害はありませんでしたが、そこから1週間以上 避難生活となりました。
当時を少し振り返りながら、今からしたい備えを考えていきたいのですが、
・まずは、命を守ること。どこで遭遇するかわからないので様々な想定をしておく。
→学校での防災訓練といえば机の下に潜る=落ちてくるもの倒れてくるものから身を守る。これが通学路だったら?旅先などは?鹿児島ではシラス台地 土砂崩れにも警戒が必要。
・大きな揺れの後は津波に警戒。普段からハザードマップで避難先の確認。
津波は川を50キロ近く遡上、何度も襲ってくることを理解。数十センチでも足を取られる。がれきなどを含んでいることも。
・家族とは連絡は取れる?東日本大震災時には1日父と連絡が取れず、不安でした(災害用伝言ダイヤル171の活用や集合場所を決めておく)
では、おうちの中はどうでしょうか。
・寝室や子ども部屋にはできるだけ家具を置かないように。
・家具は倒れた時に出入り口を塞がないように向きも気をつけて。
・手の届くところに懐中電灯(停電)やスリッパ(割れたものでけがをしない)
・自分自身の弱点を知る。必ず必要な薬やメガネは手の届くところに。
・防災を習慣づけて整理整頓、日常生活から見直す。地震のあとも逃げられるように。
・東日本大震災時、そして先月、2月13日 東北地方で震度6強の地震が発生しましたが、私の実家では本棚が本の重みで潰れました。危ない家具はないですか。
非常持ち出し袋には何が入ってますか。
・飲料水や非常食を3日分(1人1日3リットルが目安)
・トイレットペーパー、ティッシュペーパー、マッチ、また乳児のいるご家庭はミルクや紙おむつなど、そしてコロナ禍ではマスクや消毒液
・私は1週間の停電時 役立ったのは、ろうそく、そして食事や体を拭いたりなどお湯を沸かすのにも使えるカセットコンロ。給水時に使うのに必要なからのペットボトルなど。あまり重いと階段を上がるのに大変。
・避難所へ行ければ物資も届きますが、自宅などの場合は自分で。ペットや小さいお子さんがいて避難控えも・・・?スーパーに並びましたが、一人五点までの制限が。もちろん買えない人も。
改めて・・・
・日常生活の中にいかに「防災」を織り込めるか。いつも聞いているラジオで、みんなで考える時間にもしたい。整理整頓も防災。
・2月13日にも大きな地震がありましたが、備えられていたとは思えなかった
・この10年でさまざまな話を聞き、辛い思いをしながらも 震災で大切な家族を亡くした高校時代の友人が話してくれた、遠くの誰かの話しではなく、今、この瞬間にも自分に起こりうることと考えて聴いてほしいこと。節目という言葉を私たちは使ってしまうが、辛い思いをした人にとっては関係ない。教訓として、考えていかないといけないが、「私の家族は教訓となるために死んだのではない」という言葉も。
・いつくるかわからない地震についてずっと考え続けるのはとても大変。東日本大震災が発生した3月には「地震や津波」について、梅雨や台風の時期には「大雨や土砂災害」について など季節に応じて災害について考えてみては。
【番組のお知らせ】
3/10(水)
午後1時55分から NHK鹿児島放送局と共催の「防災シンポジウム」。今年は新型コロナ
ウイルス感染拡大防止のため スタジオ収録したものをお送りします。
南海トラフ巨大地震や鹿児島湾直下地震などの揺れや津波に対する備え、命を守る避難やその後の避難生活などを専門家の皆さん、被災された方の声とともに考える番組です。
そして
午後8時からは「どーんと鹿児島」でも鹿児島の備えなどについて考えます。こちらも、ご覧ください。