「冷たい“汁”」
今回の山口プロモーションはリクエストにお答えし
「暑い日に食べたくなる冷たい汁」についてプロモーションします。
日本各地の冷たい汁
<宮崎・埼玉・山形にある冷汁の違い>
冷たい汁といえば「冷汁」が思い浮かぶのではないでしょうか。この冷汁、実は宮崎以外でも食べられていて、埼玉と山形にも冷汁が昔から郷土料理として食べられているんです。この三県の冷汁の違いについてまずはご紹介していきましょう。
宮崎
みなさんもご存知「宮崎冷汁」。これはいりこや焼いてほぐした魚と味噌をすったものを焼いて、冷たいだし汁豆腐夏野菜をご飯にかけていただくものです。この「宮崎冷汁」は年貢で取られてしまったお米のかわりに食べる麦飯を食欲の落ちてしまうこの季節に少しでも美味しく食べるための工夫で生まれた料理なんだそうです。今では大手飲食チェーンでの人気メニューとなっていて全国いろいろなところで食べられています。
埼玉
埼玉の郷土料理冷汁は「ひやしる」と読むんだそうです。この埼玉冷汁はお魚ではなく夏野菜がたっぷり入っていて、うどんやそうめんのつけ汁として食べるんです。地域によっては「すったて」「つったて」とも呼ばれています。冷たいうどんやそうめんはこれからの季節食べる機会が多くなりますが、この埼玉冷汁試してみてはいかがでしょうか。
山形
山形県米沢市を中心に食べられている冷汁(こちらも「ひやしる」)は汁と名前についていますが、具沢山でおひたしにも近いようです。米沢市は「上杉の城下町」として知られ、この山形冷汁は米沢藩上杉家が統治していた時代から伝わる料理です。夏だけではなく1年中食べられており、雪国ならではの食材「雪菜(積雪量の多い地域で、雪の中で育てられる葉菜類)」や小野川温泉のお湯を利用して冬の間だけ栽培される「小野川豆もやし」といった山形ならでは食材を使っているのも特徴です。
海外の冷たい汁
<ヴィシソワーズ(フランス)>
フランス料理のじゃがいものポタージュ(クリーム)スープ(汁)のこと。バターでじゃがいもとポロねぎを炒めてブイヨンで煮込み、裏ごしして生クリームを加えた冷たいスープ(汁)。名前は「ヴィシー風の」と言う意味で、このスープ(汁)を考案したNYのザ・リッツ・カールトンのシェフ ルイ・ディアがフランスのヴィシー出身でこの名前をつけたそうです。
<パリ・ソワール(フランス)>
ヴィシソワーズをコンソメのジュレ(コンソメスープを冷やしゼラチンでゆるく固めたもの)の上に注いだものをパリ・ソワールと言います。直訳すると「パリの夕暮れ」。透明な器に入ったパリ・ソワールを覗いてみるといつまでも暮れない夏のパリの空のように見えることからこの名前がついたそうです。ロマンチック・・
<ガスパチョ(スペイン)>
スペイン・アンダルシア地方の料理で冷たい濃厚なスープ(汁)。トマトやピーマン、キュウリ、にんにくなどの野菜とパンなどをすりつぶし、ブイヨンを加えてワインビネガー、オリーブオイルなどを加えたもの。名前はラテン語のかけらを意味する「カスパ」やヘブライ語のばらばらにちぎる「ガザス」に由来すると言われています。たくさんの野菜が濃縮されたスープ(汁)とも言われ、「飲むサラダ」とも言われています。食欲のない日にぴったりのスープ(汁)かもしれません。
<サルモレホ(スペイン)>
アンダルシア地方コルドバの冷製トマトスープ(汁)。ガスパチョよりもとろみがあり、メインはトマト、それにパンを加えて作るクリーム状のスープ(汁)です。完熟トマトや乾燥させたパン、オリーブオイル、ビネガーでできていて、トッピングにはハモン・セラーノという生ハムやゆで卵をトッピングします。ガスパチョよりパンの量が多いため、より濃厚でどろっとしています。
夏や暑い日には冷たいものを・・・というのは今も昔も、そして日本も海外も変わらないんですね。
今回は「汁物」をご紹介してきましたが、冷たい食べ物は山形県の冷やしラーメンなどまだまだありました。
「冷たい○○」、またどこかでご紹介できればと思います。