Q:海中温泉で有名な屋久島南部の平内集落で肉用牛の生産に、親子3代で取り組んでいる西橋牧場の3代目、西橋啓太郎さんです。まず西橋さんのプロフィールを教えて下さい。
(西橋さん)私は平成8年生まれで、屋久島町立岳南中学校を卒業して鹿屋中央高校のレスリング部に特待で入学しました。
そして九州共立大学という北九州の大学に、レスリング部の特待が来たので、それでレスリングを頑張ろうと思って進学しました。しかし、大学の2年終わり頃に、やっぱり屋久島で牛を頑張りたいということがあって、3年生になるときに中退して、その後、さつま町にある徳重和牛人工授精所という、牛の会社に入社しました。
そこで2年と3か月ほど研修修行をして、去年の4月に屋久島に帰ってきて、学んだことを生かしながら、祖父と父の後継者として、肉用牛の生産を取り込んでいるところです。
Q:おじい様、お父様の姿が、啓太郎さんの将来に大きな影響を与えたんですね。
(西橋さん)はい。じいちゃんとお父さんが、今の西橋牧場をしっかり作ってくれたので、それを小学校・中学校から自分は手伝いしながらずっと見ていたので、親父の背中、祖父の背中を見ながら、やっぱり憧れがありました。
Q:ご家族の皆さんも、跡を継いでくれたこと喜んでいらっしゃるんでしょうね。
(西橋さん)そうですね。一番は祖父が喜んでくれているので。少しでも喜ばせられるようなことを、今からできればと思っています。
Q:今育てている子牛は何頭くらいいるんですか?
(西橋さん)家の繁殖牛が今110頭を超えて、年に出産は90%以上しているので、考えると100頭以上、子牛が出ています。自分の繁殖牛は、18頭です。
Q:では、その18頭の日常の世話に頑張る日々ですね。
(西橋さん)そうですね。あとは、やっぱり爺ちゃんとお父さんの牛の世話もしながら、日々勉強しています。
Q:なるほど。屋久島では肉用牛の生産農家は、結構あるんですか?
(西橋さん)20件、あります。総数でいえば、親牛が400頭ぐらいですね。
Q:生まれた子牛たちは、何年ぐらい育てるんですか?
(西橋さん)自分たちの繁殖専門の人たちは、産ませてからだいたい8か月から10か月の間に子牛セリ市に出荷します。やっぱり手がかかっているので、頑張ってきてくれっていう感じで。寂しいところもありますけど、セリでいい値段で売れればと思って、寂しさと頑張ってこいっていう感じですね。
Q:西橋さんは、どんな夢をお持ちですか?
(西橋さん)夢は「屋久島牛」というブランドの確立が、自分の一番夢ですね。そのためには優良な精液を導入して、人工授精の確立を目指して、安定した生産農家の確立が必要だと考えています。あとは世界遺産というのを活かして、この大自然の恵み。水もおいしいですし、気候もいいですから、こういうのを活かして、屋久島牛ブランドというのを確立して、最終目標的には全国の皆さんに、この屋久島から出た和牛というのを召し上がってもらうことが、自分の夢です。
Q:西橋さんにとって豊かさとは何でしょうか?
(西橋さん)牛でいえば、やっぱり出産したときのあの感動が、自分の中では一番の豊かさかなと思います。
屋久島牛をブランド化できて、それを食べてもらえれば。そのとき、皆さんが美味しいと思ってくれれば、それが一番、自分にとって豊かさになるかもしれないですね。
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