Q「NPO法人徳之島虹の会理事長の政武文さんにお話を伺います。世界自然遺産登録おめでとうございます。徳之島の皆さんの反響はいかがでしょうか?」
徳之島で今一番最もホットな話題はなんといっても、島の自然が世界自然遺産に登録されたことです。奄美群島国立公園という日本の宝であった自然が今回、世界の人類共通の宝として認められました。4島の島民と共に喜びを共有したいと思います。
Q「今回、奄美沖縄が世界自然遺産として登録された理由について、改めて教えて下さい。」
徳之島を含む奄美大島、沖縄島北部、西表島の4島は亜熱帯地域と呼ばれ、温暖な気候です。
照葉樹林の森が広がり、その森には、アマミノクロウサギ、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコなど、それぞれの島を象徴する固有種、その他にも数多くの希少種絶滅危惧種の動植物が生育しています。
このように、生物多様性に富んだ自然豊かな島々であるということから、登録が実現しました。
Q「徳之島の中での世界自然遺産エリアというのは、どのようなエリアですか。」
世界自然登録エリアはですね、主に陸域です。その中でも、森林区分がエリアとなっています。徳之島には井之川岳と天城岳という大きな高い山が2つあって、その山から広がる中腹、麓に数多くの動植物が生息しています。
Q「NPO 法人徳之島虹の会の理事長として、政さんは活動していますが、主な活動を教えて下さい。」
徳之島虹の会は2011年に設立され、今年で活動10周年を迎えています。
現在の会員数は約100名です。島の子どもたちや、自然、文化を島の宝と捉えて、青少年健全育成活動、自然保護活動、伝統文化の継承活動に取り組んできました。
近年は特に世界自然遺産登録を推進する観点から、自然保護活動に力を注いできて、エコツアーガイド活動にも取り組んでいます。祖先から引き継がれて、世界の宝となったこの島の自然を100年後、1000年後の未来にバトンを渡すとの思いで今後も活動していきます。
虹というのは、徳之島の方言で仲間たちという意味で、仲間のことを「にじにじ」と言います。その島を愛する仲間が集まって、未来にバトンしていけたらいいなということで、レインボーの虹と掛け合わせて虹の会と命名されました。
Q「虹の会の皆さんは今、徳之島の子どもたちに島の案内をしてるのですね?」
この島を担うのは、今の子どもたちです。子どもたちに、この島の宝を伝えていくことが、将来にわたってこの島が豊かな島であるということを、引き継いでいくことに繋がります。子どもたちを中心に自然観察体験であったり、自由研究の手伝いをしたり、子ども中心の活動も重点的に行っています。
Q「この時代を生きていく上で豊かさというのは、どのようなことだと感じていますか?」
現代は、物が溢れてる物質社会で、生活するには非常に便利な時代です。また、デジタル情報時代で、瞬時に情報が世界で共有され、ともすれば生活スタイルも画一的に向かっている気がします。
徳之島もその例にもれず、生活スタイルが徐々に都会化しています。そのような物質的に満たされた生活ではなくて、やはりこの自然を感じることができる。自然から得られる心のゆとりや充足感だと。それが豊かさだと思っています。
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