#5 仙厳園日和(後編)

鹿児島市吉野町にある薩摩藩島津家別邸名勝「仙巌園」の魅力をお伝えします。
今回は、その後編です。

前回に続き、私たちと同じキャビンアテンダントで、鹿児島に移住し島津興業で兼業しながら、ふるさとの魅力を伝えている岩田裕未さんの案内です。

園内には180個もの風鈴が連なる『風鈴の路』があります。
なんと今年初登場だそう。
色とりどりの風鈴に囲まれて、心地よい夏の音色に癒されます。

西:「爽やかな音色にうっとりします。日本の夏を感じますね。」

中:「涼を感じることが出来てうれしいですね。

”映える”写真も撮れる、仙巌園のおすすめスポットです。」

さらなる涼を求めて私たちが向かったのは…

そう!暑い夏に食べずにはいられない鹿児島名物『白くま』。
山盛りのかき氷にフルーツなどをトッピングし、甘い練乳がたっぷりかかっています。
仙巌園ではこの『白くま』を自分で作ることが出来るんです。

こちらは、運ばれてきたばかりの『白くま』。
まだ、お顔が描かれていないため真っ白です。

ここに自分たちで目や鼻、耳をつけ、フルーツをトッピングして仕上げていきます。

\溶けないうちに、そ~っと…/

ポイントは、初めに鼻の部分(バニラアイスクリーム)を乗せていくこと。
ふわふわの氷が溶けないうちに、顔の中心を決めていきます。

続いて目の部分をトッピングしてお顔を作っていきます。
だんだんと『白くま』の顔に近づいてきました。

西:「バランスを考えながらパーツを置いていく作業が楽しいです。時間との勝負なのでインスピレーションが大事!」

中:「悩んでいると溶けてしまうけど…こうして考えている時間も楽しいです。トッピングにも個性が光りますね!」

\\そして…完成した『白くま』がこちら!!//

自分たちで作ったオリジナル『白くま』、愛着が沸いてきました。誰がどの『白くま』を作ったか、分かりますか??

正解は…【写真左】:中山作 【写真中央】:岩田作 【写真右】:西原作

ほかにも仙巌園では、薩摩の伝統文化に触れて楽しく学ぶことができる文化体験があります。いくつかある体験のなかで、今回は『切子かけらの細工』と『大島紬の匂い袋』を制作してきました。

✈切子とは…??

切子というと、「薩摩切子」と「江戸切子」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、薩摩切子は、幕末から明治初頭にかけて、『集成館事業』の一環として開発されました。

仙巌園の敷地の隣には薩摩切子の工場とギャラリーショップがあり、鹿児島で生まれた薩摩切子の技術を伝承しています。

工場では、薩摩切子が出来上がる工程と職人技を、間近に見学することが出来ます。

\明るく可愛らしい外観の薩摩切子工場/

中では切子職人の方が作業をされています。

金型や木型の中にガラスを吹き込み、「成形」と呼ばれる作業をされているところ。口仕上げといい、口元を焼いて広げ、成形するものもあります。

【下写真】こちらは「木盤磨き」と呼ばれる研磨作業。木や研磨剤入りの樹脂でできた円盤を回転させ、磨き粉をつけながら線や面を磨いていきます。

工場の隣にある島津薩摩切子ギャラリーショップ『磯工芸館』では、登録有形文化財のレトロな雰囲気の洋館に、薩摩切子をはじめとした鹿児島の工芸品が並んでいます。

薩摩切子の文様は様々な角度や深さでカットされているため、光にあてると宝石のようにキラキラと輝きます。
西:「淡い色合いのものからはっきりとした色のものまで、色彩豊かですね。ずっと見ていたくなる美しさです。」
中:「繊細でありながらも華やかなデザインで、色ガラスと透明ガラスのコントラストが本当に綺麗です。」

そんな鹿児島県の伝統的工芸品である『薩摩切子』を使った文化体験に挑戦してきました。

西:「鹿児島出身ですが、今までこのような形で鹿児島の伝統文化に触れたことがあまりないので、わくわくします。」

中:「細かい作業で上手にできるか不安もありますが、それ以上にとても楽しみです!」

体験施設で受付をして2階に上がります。受付札も素敵ですね。

\\早速『切子かけらの細工』から作業開始!//

作業に没頭している真剣な中山さん。何をイメージしているのでしょう…??

まずは枠の形を選んで、その中に薩摩切子の小さなかけらをつめていきます。

中:「かけら一粒ひと粒が半透明で輝いていて綺麗です。全ての色を使いたくなりますね!」

西:「細かい薩摩切子のかけらを、小さな枠に一粒ずつ隙間なくつめていくのは、手先が不器用な私には、なかなか難しい作業です…!完成を目指して頑張ります!」

どのようなデザインにしようか暫く考えたあと、ふたりが考えたテーマは…
なんと!! 偶然にも同じく『仙巌園から見た桜島』!!
薩摩切子のかけらを敷き詰めたら、そこに樹脂を流し込み、UVライトをあてて“硬化”させます。

\\そして、完成したものが…こちら!//

左:西原作右:中山作

中:「作っている間に、気付いたら桜島から『紫陽花』に変わっていました!(笑)」

西:「途中から桜島とは違う方向に進んでいることに、何となく気付いていました。(笑)」

 ですがそれぞれの感性があらわれていて素敵です!」

\\続いて『大島紬の匂い袋』の作業開始!//

伝統工芸品に指定されている大島紬の袋のなかに、様々な香料をブレンドして世界にひとつだけの匂い袋を作製します。
まずはそれぞれ好きな香りを選んでいきます。

(西原:3種類、中山:2種類、それぞれ気になる香りを選びましたが、またしても偶然にも2種類同じ香りを選んでいました!!)

中:「お互い好みが似ていますね!(笑)」

西:「本当ですね(笑)。どんな香りが生まれるのか楽しみです!」

それぞれの種類の配合も考えながら、混ぜたものがこちら↓↓ 

小さな大島紬の袋に詰めて…

\\完成しました!//

私はサンダルウッド(白壇)の香りをメインに調合してみました。香木の優しい香りに癒されます。(中山)
私も白檀をメインに控えめの香りで揃えました。とてもお気に入りで、仕事用の鞄に忍ばせて楽しんでいます!(西原)

袋の柄と紐の色も選べ、世界に一つだけの自分好みの香り袋を作ることが出来ます。
また、作り始めから完成までスタッフの方が優しくサポートしてくださるので、安心して作ることが出来ました。

さて…文化体験を楽しんだところで、少しお腹がすいた私たち。
中:「仙巌園といえば、磯名物『両棒餅』を食べたいです。鹿児島に帰ってきてからずっと、あの味が恋しかったんです。」
岩:「そう思って考えておりました。お店までご案内します。」

味は、味噌・醬油・きなこ黒糖の3種類(6本入り)。
お茶が付いて450円。

岩:「仙巌園の名物である両棒餅(ぢゃんぼもち)とは、鹿児島で昔から親しまれている餅です。餅に2本の串が刺してあり、中国語で”2”を意味する”両(リャン)”がなまって”ヂャン”になったと言われています。」

西:「素朴な味で、お茶との相性も抜群の美味しさです。あっという間に食べてしまいました。」

中:「幼い頃から親しんでいた両棒餅ですが、初めて由来を知りました。私は定番の醤油味がお気に入りです。甘口の醤油が鹿児島らしいですね。」

岩田さんに案内していただき、島津家の歴史と薩摩の伝統と文化を学びながら、美味しい両棒餅までいただけて心もお腹も満たされました。

西、中:「岩田さん、仙巌園の皆さん、今日は本当にありがとうございました。学ばせていただくことが沢山で、時間が足りないぐらいでした。是非また訪れたいです!!」

暑い日が続いていますが、ふるさと鹿児島には、この季節ならでは楽しみが溢れています。
次回はどんな”ふるさと鹿児島の魅力”を再発見できるのか…楽しみです!!

✈お読みいただきありがとうございました✈✈

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