#2 知覧日和

鹿児島出身のANAの現役CAふたり(西原亜希子、中山聖良)が、ふるさとに“Uターン”。MBCスタッフとして、鹿児島県内各地の観光スポットや歴史、特産品、お店などを取材します。世界各地を訪れるCAの目線で「再発見」した、鹿児島の「よさ」を発信していきます。


今回は知覧でお茶を味わいながら、まちの歴史に思いを馳せました。



今回私たちは南九州市知覧町へ足を運びました。
 

知覧特攻平和会館へ向かいます。
入り口へと続く参道には桜の木が植えられています。
 

西:「鹿児島で生まれ育ち、また航空従事者としても忘れてはならない歴史です。」

中:「いま私たちが平和な空を飛べていることに感謝し、『特攻』の歴史について改めて胸に刻みたいと思います。」

 

≪知覧特攻平和会館≫(写真左:中山聖良 右:西原亜希子)

西:「展示室に展示されている機体や映像、特攻隊員ひとりひとりの写真や、家族や婚約者に宛てた手紙などを読むと、改めて戦争の悲惨さを思います。そして、国や愛する者のために特攻という命令を受け入れた隊員の心情を思うと胸が詰まります。平和の尊さを強く思いました。」
 

中:「今の私たちより若い、現在の高校生から大学生ほどの年齢の人たちが時代に翻弄された現実はとてもつらく、二度と繰り返してはならない歴史です。
愛する家族に想いを馳せながら戦場に飛び立つ特攻隊員、そして見送るしかなかったご家族のことを思うと涙が止まりませんでした」

 

私たちが普段仕事をしながら見ている空と、特攻隊員の方々が見ていた空。それは、全く違うものなのかもしれません。
 

≪特攻平和観音堂≫

 

≪鳥居と灯籠≫

敷地内にある観音堂に参拝し、『平和の鐘』を鳴らして平和への思いを新たにしました。
 

かつて特攻基地があった場所は、いま広い台地に茶畑が広がり、住宅が建っています。平和そのものの風景です。 私たちは、隣接している『知覧茶屋』を訪れました。
 

知覧茶屋は、当時、特攻隊員の面倒を見て”特攻の母”と呼ばれた、鳥濱トメさんが営んでいた「富屋食堂」の味を受け継いでいるお店です。

ここで知覧茶を使った「茶そば」をいただきました。 茶そばは、そば粉に抹茶を練りこんで打ったおそばです。
 

西:「お茶が練りこまれていて麺もきれいな緑色。ほのかにお茶の香りがします。」

中:「そして、お水の代わりに冷たいお茶がいただけるんですね。さすが、お茶どころです。水出しで、とても美味しいです。」

 

お店をあとにし、『富屋食堂』があったふもとの街を目指して、坂道を下っていきます。当時、出撃を前にした特攻隊員たちが歩いた道です。
30分ほど歩くと、右手に木造の建物が見えてきました。
富屋食堂は、トメさんが隊員たちの食事の世話をしていた軍の指定食堂でした。今の建物は再建されたもので、資料館として当時の様子を伝えています。
 

≪富屋食堂外観≫

『ホタル館 富屋食堂』
“ホタル館”は、かつて鳥濱トメさんを慕っていた特攻隊員が特攻前夜に、「ホタルになって必ず戻ってくる」という言葉を遺して出撃し、翌日実際にホタルがトメさんのもとに現れた、という話に由来しています。

戦後、生涯にわたって「語り部」として戦争の悲惨さと真実、そして平和の大切さを伝え続けていたトメさん。
 

中:「平和会館で視聴したビデオの中でも、まるで昨日のことかのように、隊員ひとりひとりとの思い出を話されている姿が印象的でした。」
 

西:「あす下るかもしれない出撃命令を待つ特攻隊員たちにとって富屋食堂は、心の拠り所であり、最後の安らぎの場所であったことがうかがえました。」

 

道中、紫陽花が綺麗に咲いていました。知覧は「武家屋敷」でも知られ、落ち着きのある美しい街です。
 

帰り際、もう少し知覧茶を味わいたいと思い、知覧茶を使ったメニューがあるお店にお邪魔しました。カフェ『cafe201』です。
 

西:「素敵な外観ですね。落ち着いていて知覧の街の雰囲気に合っています。」
中:「美味しい知覧茶をいただけるのが楽しみです。」

 

(こちらでは温かい知覧茶を頂きました。”ホッ”とします。)

 
中:「爽やかさと甘みがあり、川沿いのゆったりとした景色を眺めながら香り高いお茶をいただけて癒されました。」
 

西:「私は『知覧茶ラテ』をいただきましたが、ミルクの中にもしっかりとお茶の味を感じ、甘すぎず美味しかったです。」
 

今回知覧に足を運んだことで、特攻基地として知覧が歩んできた歴史と、私たちが暮らす 現在の知覧、ふたつの顔を知ることが出来ました。
 

中:「何気ない日常が、とてもありがたいものだと、改めて気付かされた一日になりました。 これからも色々なところに足を運んで、鹿児島の歴史や文化を学んでいきたいです。」
 

西:「鹿児島には知覧茶以外にもいろんな種類のお茶がありますよね。私はお茶が好きなので、これからもっと鹿児島県内いろいろなところのお茶を頂いたり、美味しいお茶を自分でも淹れられたりできるようになりたいです。」
 

中:「次回も、ふるさと鹿児島のどのような再発見があるのか楽しみです。」
 

✈お読みいただきありがとうございました✈✈

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