スポーツの魅力を「データ」で語る! 鹿屋体育大学
2022年夏、鹿屋体育大学の学生が、スポーツの魅力を伝えるための新たな手法として、数字「データ」を中心に“カタル”プロジェクトに挑みました。
このプロジェクトは、大学スポーツ協会(UNIVAS)による「大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」に採択され、「スポーツの価値を数字(データ)で伝えることができる人材の育成を目的として、昨年度に続いて(https://blogs.mbc.co.jp/sports/cat_kanoya/19484/)、第2弾の実践プロジェクト型セミナーが企画されました。
最終的には、得た知識や技術を、鹿屋体育大学の女子バレーボール部が出場する九州大学秋季バレーボール女子1部リーグ・レギュラーラウンドで「実況」するという目標を達成したのです。その参加者からリポートが届きました。
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「スポーツを数字(データ)でカタルガ!~語るスポーツ養成プロジェクト~」に参加した、鹿屋体育大学体育学部スポーツ総合課程3年で硬式野球部に所属している蜂須賀友助と、同学体育学部武道課程3年でなぎなた部に所属している秋葉笑里です。
今回のプロジェクトは、2週間に渡ってMBCの松木圭介アナウンサーに「スポーツを語ること」とはどういうことなのかを聞くところから始まりました。何を伝えるのかは試合や実況する人で変わりますが、今回のプロジェクトでは、実況で多く見られるストーリーではなく、「数字(データ)」に焦点をあて、今までとは違う視点からスポーツの価値を伝えることを目標にしました。数字を知ることで、私たち自身も取材等を通して、新たな発見やスポーツの楽しみ方に気づく貴重な体験となりました。
試合の数日前には、監督とベンチ入りの選手に春季リーグからの変化や試合への心境について、特に数字(データ)にまつわることを意識しながら事前インタビューをさせていただきました。そのあと、春季リーグの数字とインタビュー結果をもとに、チームと選手一人一人の資料を作成しました。今回は「数字」重視ということで、数字に着目してまとめること、理解を深めることに努めました。
試合当日は、手元のデータ端末に「リアルタイム」で選手一人一人の数値が次々と表示されました。事前インタビューで話してくれた「目標数値」を超えるものが出てきて、選手が意識しているものが実際のプレーでも出ていると感じる場面が何度もありました。また、数字(データ)があることで、こんなにもバレーボールを楽しむことができるのだと実感することができました。
今回はバレーボールの解説でしたが、スポーツの価値や魅力の伝え方はさまざまな方法があるのだと知ることができました。スポーツ科学がこれだけ進化している状況で、ただ見て楽しむのはとてももったいなく、スポーツの発展のためにも、伝え方の工夫が大切なのだと学びました。
蜂須賀の専門種目である野球では、球速や打率など数値(数字・データ)を使うことはありますが、どうしても、試合後のフィードバックになり試合の勝敗を大きく左右することは少ないです。一方、今回解説させて頂いたバレーボールでは、リアルタイムでアタック決定率などデータが表示され、勝敗にも大きく関わっていました。スポーツによって「数値・データ」の使い方に違いがあるという新たな発見をすることができました。
また、野球界にも、リアルタイムでベンチに数値が入ってくると野球様式が変わり、野球界に革命が起きるかもしれません。
今回のプロジェクトを通して、「みるスポーツ」・「語るスポーツ」の価値に気づくことができました。その価値に、見て下さった方が少しでも気づいてくれたら幸いです。私は、将来この伝える仕事に就けたらと考えています。皆さんにまた、スポーツの魅力をお伝えしていきたいと思います。
秋葉の専門種目であるなぎなたでは数値を測ることはないため、今回のプロジェクトで、スポーツと数字(データ)を融合することで「みるスポーツ」の新たな部分が発見できました。なぎなたを楽しんだり、理解したりするためには日数が必要なほど、ルールが難しいです。しかし、数字(データ)があることで、初めてなぎなたを見た人でも楽しむことができる可能性があると思います。
マイナースポーツであるなぎなたを見る機会がそもそも少ないと思うので、数字(データ)で伝わりやすくすることで競技者の普及にも繋がると考えます。武道で数字が使われているのを見たことがないですが、数値化することで、日本古来から伝わるものが新たな変化を生み出すのではないでしょうか。
私も将来、メディアに関する職業を考えているため、今回の経験を少しでも活かすことはもちろん、私自身の競技にも活用できればと思います。
2週間はあっという間の時間でした。
今回学んだことを今後活かしていくことはもちろん、自発的に発信する機会を作っていけたらと思います。
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なお今回のプロジェクトは、去年のプロジェクトに引き続き、鹿屋体育大学と鹿屋市が地域協働でのスポーツ連携事業を推進するために作成された地域密着スポーツブランドであるBlueWinds(ブルーウィンズ)としての事業でした。世話人を務めた鹿屋体育大学スポーツ人文・応用社会科学系助教の棟田雅也氏によりますと「現在、スポーツ分野において「みるスポーツ」の環境は大きく変化しています。特にリアルタイムで選手の能力や動きが測定され、数値を確認しながら観戦することができるようになったことは、スポーツ科学の発展が大きく貢献しています。加えて、それらの情報を基にした選手のプレーや試合の流れの中で伝えられるアナウンサーや解説者からの言葉は、様々な観戦者にとって重要な情報源となり、観戦の質を高めることが明らかになっています。この『スポーツをカタルガ!』モデルが「継承」および「挑戦」をテーマに各方面で広がり、大学スポーツの魅力向上に寄与することができれば幸いです。」と話していました。