鹿児島空港で29日、民間機としては国内初めてのあるフライトが行われました。小学校の理科の教科書にものっている微生物の「ミドリムシ」の力で飛んだのです。
鹿児島空港で給油を受ける民間のジェット機。
使われているのは、東京に本社がある企業「ユーグレナ」が開発したバイオジェット燃料です。
(ユーグレナ 出雲充社長)「ホンダジェットに入れるのが、私どもが開発したユーグレナ社のバイオジェット燃料サステオでございます。私はサステオで日本の空に維新を起こします」
バイオジェット燃料「サステオ」を生み出したのは、大きさわずか0.1ミリの微生物「ミドリムシ」です。培養方法によっては体内に軽油に近い油を作るため、これを使って家庭などで使われ回収された食用油とともに精製して燃料にしました。
今年3月に完成して、今月上旬に国土交通省の検査機での飛行に成功。29日、民間機での初飛行となりました。そして機体は、午前11時前に鹿児島空港を離陸。およそ90分かけて東京・羽田まで向かいました。
国連が定めた持続可能な開発目標=SDGsが世界的な関心を高める中、ミドリムシは光合成も行い、二酸化炭素も吸収するため、石油と比べても二酸化炭素の排出量が少なく、農作物などを使ったほかのバイオ燃料と比べて環境や食料問題への影響も少ないと期待されています。
ユーグレナでは、安定供給を目指して2025年をめどに商業用プラントを建設する計画です。小さなミドリムシの力が世界を変えるのか、今後が注目されます。