明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週は、現代まで脈々と伝わる薩摩の武術、野太刀自顕流について、鹿児島市の共研舎で行われている稽古風景を交えてお送りしています。
(秋窪大さん)「体力もそうですけど、精神面がすごく鍛えられました。とくに、負けない心というものを学んだと思います。」
姶良市から毎週稽古に通う秋窪大さんは、暑い時も寒い時も、裸足で木刀を振り続ける修行を通じ、精神力が養われたと言います。また先輩の話を通じて、維新の時代を身近に感じることもできたといいます。
(秋窪大さん)「薩摩藩士として京都に上がった話とか、武で西郷さんの息子さんの午次郎さんと同級生だったという話を聞くと、すごく歴史を身近に感じて、そういうところでも、薩摩気風というものをじかに感じることができて、すごくいい勉強になりました」
(道場長の伊東丞士さん)「みんな自分のために剣を振っていたということはないと思うんですよ。先輩方も。われわれもそういうふうに思うし。だれかのためというか、主君のためとか。だれかを守るために剣をふるうだろうな、ということは今も強く思いますね。強くなればなるほどやさしくなれるのでしょうね。僕らのお師匠さんがそうでしたから。ずっとニコニコしていました。
ただ、木刀を握れば、先生の世界に引き込まれるほどの怖さがあったし。だから、ぼくらもその先生方に近づけるように、いま稽古をしている最中です」
一撃必殺と恐れられた剣法ですが、人をあやめるためだけではなく、だれかを守るための強さや、大切なことを貫く強さを目指した薩摩の先人の精神は、現代に受け継がれています。
明日も引き続き、野太刀自顕流についてお送りします。