今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。
郷中の組織は、年齢別に「小稚児」、「長稚児」、「二才」、「長老」に分けられます。
先週から、6・7才から10才までの小稚児の遊びをご紹介していますが、今朝も昨日に引き続き、「馬追い」をご紹介します。
オリに追い込んだおよそ千頭の馬の中から父馬だけを外に出し、残された母馬・仔馬が押し合い、へし合い。
そんな中で二才馬を選び、お役所へ送り、残った牝馬は、民間に売却。
その利益は全てお殿様のお手元金になりました。
馬追いが終わると、今の鹿児島市立 大龍小学校がある場所にあった、臨済宗のお寺「大龍寺」前の道路 上ノ馬場で、かけ比べが行われました。
中には、勢い余って時宗のお寺の石段まで駆け登る馬もいたとか・・・。
そのお寺の跡が、今の南洲神社です。
上ノ馬場で催されていた、この馬のかけ比べを見物しようと、庶民を含め、大勢の人々が押しかけ大変な賑わいだったようです。
今で言う、「競馬」が催されていたんですね。
そんな大勢の見物人がいる中に、コントロール出来なかった馬が突っ込むことも。
見物人に怪我をさせた騎手は、責任をとって寺に入り謹慎するなど、一種の制裁が加せられたようです。
伊地知峻さん著の『薩藩年中行事』には、
『「寺入り」した人は、お寺で学問をするので、将来、名を成した人は、随分多かった』
と記されています。
では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また来週。毎日ごわんそ!