薩摩の教え

郷中教育40

今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。

郷中の組織は、年齢別に「小稚児こちご」、「長稚児おせちご」、「二才にせ」、「長老おせんし」に分けられます。
先週から、6・7才から10才までの小稚児の遊びをご紹介していますが、今朝も昨日に引き続き、「馬追い」をご紹介します。

 

オリに追い込んだおよそ千頭の馬の中から父馬だけを外に出し、残された母馬・仔馬が押し合い、へし合い。
そんな中で二才馬にさいばを選び、お役所へ送り、残った牝馬ひんばは、民間に売却。
その利益は全てお殿様のお手元金になりました。

馬追いが終わると、今の鹿児島市立 大龍小学校がある場所にあった、臨済宗りんざいしゅうのお寺「大龍寺だいりゅうじ」前の道路 上ノ馬場かみのばばで、かけ比べが行われました。
中には、勢い余って時宗のお寺の石段まで駆け登る馬もいたとか・・・。
そのお寺の跡が、今の南洲神社です。

上ノ馬場かみのばばで催されていた、この馬のかけ比べを見物しようと、庶民を含め、大勢の人々が押しかけ大変な賑わいだったようです。
今で言う、「競馬」が催されていたんですね。

そんな大勢の見物人がいる中に、コントロール出来なかった馬が突っ込むことも。
見物人に怪我をさせた騎手は、責任をとって寺に入り謹慎するなど、一種の制裁がせられたようです。

 

伊地知いじちしゅんさん著の薩藩さっぱん年中行事』には、
『「寺入り」した人は、お寺で学問をするので、将来、名を成した人は、随分多かった』
と記されています。

 

では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また来週。毎日めにっごわんそ!

郷中教育39前のページ

郷中教育41次のページ

関連記事

  1. 薩摩の教え

    西郷が遺した漢詩「早起開扉望桜峰」・「武村卜居」

    西郷南洲遺訓に続き、今週は、西郷さん自身が詠んだ「漢詩」をご紹介してき…

  2. 薩摩の教え

    野太刀自顕流③(共研舎)

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  3. 薩摩の教え

    郷中教育49

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。郷中の…

  4. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第25条「天を相手にし、誠を尽くせ」

    「西郷南洲遺訓」から、今日は第25条「天を相手にし、誠を尽くせ」という…

  5. いろは歌

    いろは歌「を」(12番目の歌)

    今日は、いろは歌の12番目の「を」の歌をご紹介します。小車をぐるまの…

  6. その他

    お便り ご紹介⑤

    今週は、ラジオをお聞きの皆さんからいただいたメッセージの中からご紹介し…

PAGE TOP