薩摩の教え

郷中教育24

今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。

これまでもお伝えしていますように、薩摩の朝鮮の役出征しゅっせいに伴い、鶴丸城下の風紀は大いに乱れ、留守番役の新納忠元にいろただもとは、これを憂えます。
そこで、かつて日新公じっしんこうが創設した組織『はなし』にならって、新たな組織『二才咄にせばなし』を作ります。
そして、その組織に属する若侍が日頃守らなければならないルールを決め、それを『二才咄格式定目にせばなしかくしきじょうもく』と名付けました。

 

二才咄格式定目にせばなしかくしきじょうもく』は、全部で10カ条あります。
現代語訳でいくつかご紹介します。

一、 まず、武道を修練せよ。
二、 いつも武士道について討論せよ。
三、 よその人とは用件外の長話(無駄話)をするな。
四、 組織内では十分に話し合いをせよ。
五、 友だちであっても悪口を言うな。
六、 わからないときは自分勝手な行動をせず、話し合って行動せよ。

などがあります。

 

このように、日常守らねばならない規約を定めた『二才咄格式定目にせばなしかくしきじょうもく』は、青少年の日常の実践項目となりました。
なお、平成22年11月に伊佐市では、新納忠元にいろただもとの偉業を顕彰し、「新納忠元にいろただもと 没後400年記念祭」を開催し、忠元神社に『二才咄格式定目にせばなしかくしきじょうもく』の石碑を建立しています。

 

では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また明日。毎日めにっごわんそ!

郷中教育23前のページ

郷中教育25次のページ

関連記事

  1. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第10条「文明開化とはどうあるべきか」

    先週は、先月行われた「せごどんの遠行」の様子をお伝えしましたが、今週か…

  2. 夏休みこども企画

    夏休みこども企画「夏休み親子歴史教室」③

    夏休みこども企画、今日も、先日西郷南洲顕彰館で行われた「夏休み親子歴史…

  3. その他

    お便り ご紹介④

    今週は、ラジオをお聞きの皆さんからいただいたメッセージの中からご紹介し…

  4. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第17条「外交を行う際の覚悟」

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  5. 薩摩の教え

    郷中教育30

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。郷中の…

  6. いろは歌

    いろは歌「う」(24番目の歌)

    今日ご紹介するのは、いろは歌の24番目の「う」の歌です。憂うかりける…

PAGE TOP