薩摩の教え

西郷が遺した漢詩「耐雪梅花麗」

昨日まで、西郷さんの教えを書き記した「西郷南洲遺訓」から毎日一つずつ遺訓をご紹介してきました。今日からは、西郷さんが残した「漢詩」の中からいくつかご紹介したいと思います。

今日は、「雪に耐えて梅花麗し」です。


一貫唯唯諾  一貫す、唯唯の諾
従来鉄石肝  従来、鉄石の肝
貧居生傑士  貧居、傑士を生じ
勲業顕多難  勲業多難に顕わる
耐雪梅花麗  雪に耐えて梅花麗しく
経霜紅葉丹  霜を経て楓葉丹し
如能識天意  如し、能く、天意を識らば、
豈敢自謀安  豈敢て、自から安きを謀らんや

この詩は、西郷の妹コトの三男・政直がアメリカ海軍兵学校に留学する際、贈ったものです。意味は・・・

「はい」と答えて留学を決めたからには、最後までやり通さなければならない。
それには、鉄のように固い意志が必要である。

豪傑の士というものは貧しい生活をしてきた人の中から現れ、
手柄は、多くの困難を乗り越えてこそ立てられるのだ。

梅の花は、雪の冷たさに耐えてはじめて麗しく咲き、楓の葉は、霜を経てはじめて真赤にいろづく。

お前が、もしこの天の計らいに気づくことができたなら、
どうして安易な生き方を自ら選んだりしようか(いや、選んだりはしないはずだ)。


この「雪に耐えて梅花麗し」という言葉は、もと広島東洋カープの黒田博樹投手の座右の銘としても知られていますね。
高校時代、この言葉に感銘を受けた黒田投手は、以来この言葉を大切にし、ヤンキース時代にはキャンプのミーティングでもこの言葉を紹介したそうです。

チームメイトのジーターは「彼の詩は、われわれに直接あてはめられるもの。良い時も悪い時も、常に変わらず汗を流し続けることが大切だし、頑張れば必ずその報いがある」と心を打たれ、またジラルディ監督は梅の花の写真を探し、自身のパソコンの壁紙にしたんだとか。

洋の東西を問わず、人の心に響く言葉なんですね。。。明日もお楽しみに。

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