明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週も、西郷さんが遺した教え、「西郷南洲遺訓」から紹介しています。
今日は、「西郷南洲遺訓」の第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも立たない」という教えの続きです。
昨今の人々の言うことを聞いていると、いかにももっともらしく論じていても、
それを実行する熱意が欠けていたり、また、精神や理念を理解していなかったり。。。
そんな、知識を吹聴するばかりで行動を伴わない、
ただ口先ばかりの人間には少しも感心しない。
逆に、本当に聖人賢者の行動を心から手本とし、
自らの行いにしようという志のある人を見ると、実に立派だと感じるものである。
昔の聖人賢者の書を、ただうわべだけなぞり読むのは、
他人の剣術を傍から見ているのと同じで、少しも自分の身にはつかない。
自分の体を動かして剣をふるい、鍛錬しなければ、剣は上達しないのは明らかで、
そんな人間が、いざ、「刀を持って立ち会え」といわれたならば、
逃げ出すしかないであろう。
古代の聖人や賢者のようになれと言うと極端で、はなから諦めてしまいそうですが、どんな人でも真面目に「よく生きること」を心がけていれば、知識や弁舌だけの人物よりはるかに立派であると西郷さんは言っています。
気をつけないといけないのは、立派な人物の書物を読むだけでも、何かを学んだ、習得した気になりますが、それだけでは何も変わらないんですよね。
うわべだけ読んで終わらせるのではなく、自分で実践し、自分のものにする努力を欠かさない。その意識の大切さを昨日と今日で改めて感じました。
第36条「書物の上だけの知識では、何の役にも立たない」という教えの後半をご紹介しました。
明日は、西郷南洲遺訓の第37条をお送りします。