薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも立たない」前半

今日は、「西郷南洲遺訓」第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも立たない」という教えの前半をご紹介します。


歴史を学ぶことは大切だが、昔の人が行った歴史を
ただ書物の上の知識として得るだけでは意味がない。

聖人賢者になろうというような高い志もなく、
最初から「自分にはとても真似できない」というくらいの気持ちであるならば、
それは、戦いに臨んでおきながら、火蓋が切られる直前に逃げ出す「敵前逃亡」より
卑怯なことである。

朱子は、「抜いた刀を見て逃げ出すような者はどうしようもない。
真剣勝負の出来ぬ卑怯者である」…と言われたが、それと同じである。

誠意を持って聖人賢者の書を読み、
その一生をかけて行われたことの真髄を自分自身の手本とし、
身をもって体験するような修行もせずに、ただ「こんな言葉を残された」とか、
「このようなことがあった」ということを、知識として知っているばかりでは、
何の役にも立たない。


西郷南洲遺訓、明日はこの続き(36条の後半)をお送りします。

西郷南洲遺訓 第35条「真の英雄は公平でなければならない」前のページ

西郷南洲遺訓 第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも立たない」後半次のページ

関連記事

  1. 薩摩の教え

    武術の教え

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  2. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第20条「制度や方法より、大切なのは人である」

    先週は、歴史家の加来耕三さんのインタビューをお送りしました。まだまだ知…

  3. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第11条「真の文明とは何か」

    今週も、西郷さんが遺した教え「西郷南洲遺訓」からご紹介しています。今…

  4. 薩摩の教え

    松ケ岡の開墾にまつわる話~菅秀二さんのお話⑤

    今週は、西郷南洲遺訓を作った旧庄内藩にゆかりのある菅秀二さんにお話伺っ…

  5. 夏休みこども企画

    夏休み子ども企画「家庭の中の薩摩の教え」③

    夏休みこども企画、今週は、親子で自顕流に取り組んでいらっしゃる土屋さん…

  6. 薩摩の教え

    郷中教育14

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介していきます。これ…

PAGE TOP