明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。西郷さんが遺した教え「西郷南洲遺訓」から、今日は第17条「外交を行う際の覚悟」についてご紹介します。
国を賭けて倒れても、これを貫くというくらいの信念、覚悟がないと、
外交においても全うすることはできない。
他国の強大なことに萎縮し、ただ円満にことを収めること、
その場をまるく収めることばかりを考え、
自国の主張を曲げてまで、外国の言うがままに従うことは、
かえって軽蔑を受け、良好な友人関係を壊してしまうことにもなりかねず、
しまいには、相手国に支配されるに至るであろう。
西郷さんは国としての政治指針を、一個人としての生き方になぞらえることがあります。
例えば西郷さん自身、勝海舟との江戸城開城についての交渉や、薩長同盟の交渉経験などがあり、そういった経験が考え方の基礎にあるように思われます。
国の命運を決めるような交渉の経験が豊富にあり、敵対する立場の相手と難しい駆け引きをしてきましたが、その際、しっかりとしたポリシーを持ち、「最悪の事態も辞さない」と覚悟を持って望むべきということを経験として語っています。
覚悟を持って交渉に臨むというのはプレッシャーがかかりますし、出来れば避けたい事態ですが、自分の意見を相手にきちんと伝えなければならない時は、政治家でなくてもあると思います。
今日は第17条「外交を行う際の覚悟」についてご紹介しました。明日は第18条「政府が果たすべき役割」についてお送りします。