いろは歌

いろは歌「を」(12番目の歌)

今日は、いろは歌の12番目の「を」の歌をご紹介します。

小車をぐるまの 我が悪業あくごうに 弾かれてや つとむる道を うしと見るらん

まず、言葉の説明から…

  • 小車をぐるま」とは、正しくは、牛車ぎっしゃ=牛に引かせる車のことですが、ここでは単に車のこと、この車も自分が乗る車を意味します。
  • 悪業あくごう」とは、欲望や煩悩にひかれて行う罪だと伝えられます。
  • 歌の下の句“つとむる道をうしと見るらん”の「うし」とは、悪いことや、辛いことを意味しています。
小車をぐるまの 我が悪業あくごうに 弾かれてや つとむる道を うしと見るらん

歌の意味です。

「人間は、欲望や煩悩の心が強く働くと、それにひかれツイツイ罪悪を犯してしまう。
本来ならば、楽しみながら務めるべき仕事まで嫌になり、自分の仕事をいやしい、つまらないと考えてしまう」
といった意味です。繰り返しになりますが、
「自分のつまらない行いが段々と悪い習慣に、遂には、自分のしなければならない務めを辛いと考え、嫌がるようになってしまいますよ。」と歌っています。
この歌は、仕事に就く者への注意で、欲望や煩悩を取り払いなさいという意味なのです。


日新斉じっしんさいは、19歳で出水・島津の娘を妻に迎え、結婚すると、ますます禅に精進し、人間として進むべきみちを極めようと努力しました。
この時期が日新斉の人格を形成した重要な時期だったと伝えられます。今日の歌も、その結果といえるかもしれません。

いろは歌の「を」。

小車をぐるまの 我が悪業あくごうに 弾かれてや つとむる道を うしと見るらん

この歌 あなたの明日のお役に立てれば幸いです。
では今日も鹿児島弁でお別れいたしましょう。また明日。毎日めにっごわんそ!

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