薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第27条「終わったことをいつまでも後悔してもはじまらない」

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週も、西郷さんが遺した教え、「西郷南洲遺訓」から紹介しています。

今日は、第27条「終わったことをいつまでも後悔してもはじまらない」という教えです。


自分の過ちや失敗を認め改めるには、
自分自身が「間違った」と思い反省しさえすればそれでよい。

その失敗にこだわったりせず、水に流したら、直ちに次の一歩を踏み出すべきだ。

失敗や過ちをいつまでも惜しいとか、くよくよと思い返し、
あれこれと取り繕おうとすることは、
例えば茶碗を割ってしまって、そのかけらを集め、つなぎ合わせてみるのと同じことで、
何の役にも立たないことである。


個人的には、割れてしまった茶碗のかけらを集めてつなぎ合わせる気持ち、良く分かります。
おそらくそれは、自分自身の失敗を認めたくないという気持ちがあるからなんですよね。

実は西郷さん自身、自分を見出してくれた島津斉彬の死後、殉死しようとしたり、安政の大獄にあって、僧月照と錦江湾に入水したりした経験があります。
しかしその後、2度にわたる遠島処分を乗り越え、西郷さんは自分の失敗にこだわり続ける無意味さを痛感し、「日本全体のためになることを第一に考えよう」と決心しました。

その後の禁門の変や長州征伐、薩長同盟、戊辰戦争と続く活躍は皆さんもご存知の通りかと思います。そこには「過ぎた失敗のことではなく、常に明日のことを考える姿勢」がありました。

こういったポジティブシンキングが身についたからこそ、終わったことにとらわれず、次の一歩を踏み出せという遺訓が生まれたのかもしれませんね。
波乱万丈の人生を歩んだ西郷さんが言うからこそ、説得力があるなと感じます。

今日は第27条「終わったことをいつまでも後悔してもはじまらない」という教えをご紹介しました。
明日は、西郷南洲遺訓 第28条をお送りします。

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