いろは歌

いろは歌「ぬ」(10番目の歌)

今日ご紹介するのはいろは歌の「ぬ」です。

盗人ぬすびとは よそよりはいると 思うかや 耳目みみめかどに 戸閉とざしよくせよ

まず、言葉の説明から…

  • 耳目みみめかど」とは、耳は聞くこと、目は見ることのかど、つまりもんなのです。
  • 「思うかや」の「か」は、疑問を表す助詞。「や」は、感嘆詞。
  • 戸閉とざし」とは、戸を締めることです。
盗人ぬすびとは よそよりはいると 思うかや 耳目みみめかどに 戸閉とざしよくせよ

続いて、歌全体の意味です。

私は、ぬすは、外から侵入してくるものだと受け止めているけれど、本当の恐るべき心の盗人ぬすびとは、耳や目から入ってくるので、耳や目はかたく閉ざしておくことが肝心である。と説かれています。

私たちは、悪いことばかり聞いていると、それに感化され“悪人”となり、また悪い事ばかりを見ていても“悪人”になりやすいとおしえているのです。
また、欲望や煩悩に誘われ、用心しないと良い心を失い、悪い人間に育ってしまう。聞くもの、見るものに心を奪われないようにしようと教えた歌のようです。
心の入り口である目や耳を、よく研ぎ澄ますことが大切だと説いているのです。


日新斉じっしんさいは15歳の春、元服げんぷくしました。
元服とは、今でいう成人式のこと。稚児から、おせ稚児になった訳で、15歳で成人として扱われることになりました。
この後、日新斉は、お寺の海蔵院を出て、伊作城の城主としての暮らしが始まったのです。

さて今日は、「ぬ」の歌

盗人ぬすびとは よそよりはいると 思うかや 耳目みみめかどに 戸閉とざしよくせよ

をご紹介しました。
この歌 あなたの明日のお役に立てれば幸いです。
それでは、また来週、元気にお会いしましょう。毎日めにっごわんそ!

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